第60回実技2 問3

(1)

15日21時の赤外画像に、図1より台風中心を記載し、16日9時の赤外画像に、図9をもとに台風中心を落とし込んでいます。

15日21時には問1(4)でも解答したように、中心の北東に雲頂高度の高い(明るく写る)対流雲が帯状に伸びています。それが16日9時になると、雲頂高度の高い対流雲の領域は中心の東側に小さくまとまっています。よって、

雲頂高度の高い対流雲が中心のやや東側にまとまった。(25字)

(2)

前線逆転層は下層の寒気と上層の暖気の境目で、上層ほど気温が高くなっている成層状態のことです。

前線付近であるため、湿潤であり風向の鉛直シアーがあります。このような特徴を示すのは、920hPaから900hPaの層と370hPaから350hPaの層となります。920hPaから900hPaの層付近では風向は下層のから上層に向かって東から南に時計回りに変化しており暖気移流です。一方で370hPaから350hPaの層付近では、風向は上層に向かって北西から南西に反時計回りに変化しており、寒気移流です。これらをまとめますと、

下の逆転層 900hPa、暖気移流

上の逆転層 350hPa、寒気移流

これも①と同じように対象の層の風向が上方に向かって時計回りか反時計回りかで判断します。

750hPaから550hPaの層では風向は一様であり温度移流はほとんどないと言えます。

550hPaから450hPaの層においては、時計回りに風向が変化しており暖気移流となっています。また方向を示してとありますので、風向おおよそ西よりであることを確認し、東に暖気が移流していると答えられます。

(3)

等相当温位線の集中帯の南縁付近に沿って寒冷前線を解析することができます。低気圧の中心は等相当温位線の集中帯の南縁から少し離れており、等相当温位線がくさび形に入り込んでいるのがわかりますのでこの部分は閉塞前線となります。また、寒冷前線の北側の東経137°付近より西側では風向が西風となり、寒気層の南下が見込まれないので、ここから西は停滞前線として解析します。

解答図に書き込みますと下記のようになります。

(4)

①台風の進行方向の右側の地点は、台風通過時に右回りの風向変化となり、左側では左回りの風向変化となります。図13から久米島と名護では風向は右回りの変化、粟国では左回りとなっています。よって台風の進行方向の右側に久米島と名護、左側に粟国を見て進むルートとなるため、BかCが正解となります。ここで、気圧の最低値は久米島で994hPa、名護で990hPaであり、台風の盛衰はないことから、中心は久米島より名護の近くを通ったと言えます。よって名護の近くを通るCが正解となります。

①の考え方をまとめますと、風向の時系列ついては、

粟国は反時計回りの変化で経路の左側、久米島と名護は時計回りの変化で経路の右側と推定されるため。(47字)

気圧の時系列については、

名護は久米島より最低気圧が低く、台風中心がより近くを通過したと推定されるため。(39字)

図13より久米島の気圧の最低値を記録したのは8:30であり、このときに台風は久米島に最も接近したと言えます。また同様に11:40に名護に最も接近し言えます。経路C上でそれぞれの2地点に最も接近した点の距離は地図上では60mmであり、台風はこの60mmを3時間10分かけて移動しています。

問題文のとおり久米島と名護の距離120kmが地図上で57mmということを利用して、実際の台風の移動距離を求めると126kmとなります。よって台風の移動の速さは126km/3.17h=39.7km/h

5km刻みでは40km/hとなります。

④台風は8:30に久米島に最も接近し、40km/hで移動しているので、9:00にはそこから20km移動していることになります。方向は経路Cを移動するのでとなります。

図13より、名護で最大瞬間風速を観測したのは9:40分です。名護に最も接近する時間の2時間前です。40km/hで台風が移動しているので、名護で最大瞬間風速を観測したときの台風中心地点と最接近した地点の距離は80kmです。名護と経路Cの名護に最も接近する点は非常に近いので、名護と最大瞬間風速を観測したときの台風中心の距離も約80kmといえます。

図13より、最大瞬間風速を観測した9:40の最大瞬間風速は24m/s、平均風速は15.5m/sです。突風率は24/15.5=1.5となります。

上記の6:50から7:50において1時間降水量が最大となります。それぞれの10分間降水量を足し合わせると、102mmとなり、10mm刻みでは100mmとなります。