キキクル(危険度分布)は、大雨による災害の危険度を地図上でリアルタイムに確認できる気象庁の防災情報です。雨量だけではなく、土壌への水のたまり具合や河川への流入量などを解析し、「今どこで災害が発生しやすいか」を色分けして表示します。
2026年5月には、防災情報全体の見直しに合わせて、キキクルも警戒レベルとの対応がより明確になり、防災行動を判断しやすい情報へ改善されました。
1. キキクルとは

キキクル(危険度分布)は、気象庁が発表する危険度分布の愛称です。土砂災害・浸水害(内水氾濫)・洪水(外水氾濫)の危険度をメッシュごとに5色で表します。
正式名称は危険度分布で、気象レーダーやアメダスなどの観測データ、数値予報を利用して、災害発生の危険度を約10分ごとに更新しています。
地図上に危険度分布が色分けして塗り分けられるため、どの位置がどの程度危険なのかがリアルタイムに把握できます。
2. キキクルの5段階の危険度
現在のキキクルは5段階で表示されます。
| 色 | 警戒レベル | 状況 |
|---|---|---|
| 黒 | レベル5相当 | 災害が切迫またはすでに発生している可能性、身を守る行動 |
| 紫 | レベル4相当 | 危険な場所から全員避難 |
| 赤 | レベル3相当 | 高齢者等は避難開始を検討 |
| 黄 | レベル2相当 | 今後の情報に注意 |
| 白 | ~レベル1相当 | 危険性は低い |
※警戒レベルは自治体が発令する避難情報と対応しています。
3. 3つのキキクル
3-1 土砂キキクル
土砂キキクルは土砂災害(がけ崩れ・土石流・地すべり)などの危険度を示しています。数時間先の土壌雨量指数と60分雨量を利用して、地盤にどれだけ水がたまっているかを解析しています。そのため、雨が止んでも危険度が高い状態が続くことがあります。

山間部では短時間の豪雨よりも、数日間降り続いた雨の方が危険になるケースもあります。キキクルではこれらも反映されます。
3-2 浸水キキクル
内水氾濫(道路やアンダーパスの冠水)などの危険度を示します。特に都市部では短時間強雨によって下水道の排水能力を超えると、短時間で冠水することがあります。浸水キキクルはこうした危険度を把握できます。
判定は表面雨量指数が用いられており、1時間先までに基準に達する予想の場合に各レベルの危険度が発表されます。レベル5については、すでに大雨特別警報の基準に達している場合に発表されるので、すでにどこかで災害が起こっている可能性があります。
3-3 洪水キキクル
洪水キキクルは、大雨による中小河川(水位周知河川及びその他河川)の洪水災害発生の危険度の高まりを5段階に色分けして地図上に示したものです。
河川の増水による外水氾濫(河川が堤防を越える)と湛水型の内水氾濫(河川増水により排水が滞る)の危険度を表示します。外水氾濫は流域雨量指数を用いて危険度が判定され、湛水型の内水氾濫は複合基準(表面雨量指数+流域雨量指数)を用いて危険度が判定されます。
さらにこれらの危険度判定基準は、過去の災害事例などをもとに統計的に定められており、地域ごとの貯留槽の構造の影響などが反映されるようになっています。
河川の上流で降った雨も考慮されるため、自宅付近で雨が弱くても危険になる場合があります。
また、浸水キキクルと洪水キキクルの分布を重ね合わせた大雨キキクルという情報も提供されています。
4. まとめと気象予報士試験チェックリスト
- キキクルは危険度分布のことであり約10分ごとに更新される。
- 土砂・浸水・洪水をそれぞれ別々に表示する。
- 土砂は土壌雨量指数を用いる。
- 浸水は表面雨量指数を用いる。
- 洪水は流域雨量指数および表面雨量指数を用いる。
- 雨量だけではなく、地形や流域特性なども考慮して解析される。
- 気象警報だけでは分からない「どこが危険か」を確認できる。
- 防災情報は、警報・キキクル・避難情報を組み合わせて利用することが重要である。
