7-2 台風予報:台風予報が発表される時間は?【気象予報士試験対策】

台風情報は、台風の現在位置や強さ、今後の進路予想などを発表し、防災機関や国民に警戒を呼びかける極めて重要な情報です。
学科試験(専門知識)では、「台風が接近した際に発表頻度や内容がどう変わるか」や、「予報円・暴風警戒域の厳密な定義」が必ずと言っていいほど問われます。実技試験の図面読み取りにも直結するため、数値を正確に覚えましょう。


1. 台風予報の種類と発表形式(スケジュールの変化)

台風予報の最大の特徴は、「台風が日本に接近し、影響するおそれがある場合には、発表頻度が上がり、内容がより詳細になる」という点です。試験ではこの「切り替わりのタイミング」が狙われます(赤字は台風接近時に発表)。

予報の種類発表のタイミング(時刻)予報期間発表内容内容のポイント
実況0, 3, 6, 9, 12, 15, 18, 21時の約50分後

毎正時の約50分後
現在のみ

・中心位置
・進行方向
・速度
・中心気圧
・最大風速
・最大瞬間風速
・暴風域
・強風域
正時の台風の実況を約50分後に発表する。(つまり約50分前の実況)
1時間後推定毎正時の約50分後1時間後のみ実況と同じ正時の台風の1時間後の推定を約50分後に発表する。(つまり約10分後の推定)
1日予報0, 3, 6, 9, 12, 15, 18, 21時の約50分後12時間先と24時間先

24時間先まで3時間毎
・予報円の中心
・半径
・進行方向
・速度
・中心気圧
・最大風速
・最大瞬間風速
・暴風警戒域
予報円などを用いて今後の台風について予測する
5日予報3, 9, 15, 21時の約50分後5日先まで24時間毎1日予報と同じ以前は3日予報だったが、現在は5日先まで延長されている

【試験のポイント】
平常時と日本への接近時には予報の内容や頻度が変わり、より細かくなります。台風が来たときには積極的に気象庁の情報を見て、どんな予報がどのタイミングでされているのかを覚えましょう。


2. 予報円と暴風警戒域の定義

天気図上で台風の進路を示す「円」の定義です。意味を勘違いしやすいポイントなので、しっかり整理してください。

2-1 予報円(白色の点線)

  • 定義: 指定された時刻に、台風の中心が到達すると予想される範囲。
  • 確率: この円の中に台風の中心が入る確率は 70% です。
  • 【最大のひっかけ】: 「予報円が大きい=台風が巨大化する」ではありません。予報円の大きさは「進路予想のブレ幅(予報の難しさ・不確実性)」を表しています。先の時間になるほど誤差が蓄積するため、通常は未来にいくほど円が大きくなります。

2-2 暴風警戒域(赤色の実線)

  • 定義: 台風の中心が予報円内のどこかを進んだ場合に、暴風域(風速25m/s以上)に入るおそれがある範囲
  • 図示: 予報円の外側をぐるりと囲む「赤色の実線」で描かれます。

※暴風警戒域の大きさは、「予報円の半径 + その時刻に予想される台風の暴風域の半径」で合成されています。実技試験では、この関係性を使って将来の暴風域の大きさを推定させる問題が出ます。

2-3. 台風進路予想図の見方まとめ

私たちがテレビや気象庁HPでよく見る台風進路予想図のカラーリングです。

  • 黄色の円(実況): 強風域(風速15m/s以上)の範囲。
  • 赤色の円(実況): 暴風域(風速25m/s以上)の範囲。
  • 白色の点線の円(予想): 予報円(70%の確率で中心が入る範囲)。
  • 赤色の実線の円(予想): 暴風警戒域(暴風域に入るおそれがある範囲)。

3. アンサンブル予報と予報円の関係

台風の進路予想(予報円の大きさ)は、アンサンブル予報の計算結果をもとに決定されています。

引用元:気象庁HP
  • 原理: 初期値をわずかに変えた多数のシミュレーション(メンバー)を一斉に計算し、それぞれの台風の進路を描きます。
  • ばらつきが小さい(メンバーの足並みが揃う):
    すべてのメンバーが似たようなコースを予想している状態。信頼度が高く、予報円は小さくなります。
  • ばらつきが大きい(メンバーの進路がバラバラ):
    あるメンバーは西へ、あるメンバーは東へ進むなど予想が割れている状態。信頼度が低く、それらをすべてカバーするために予報円は大きくなります。

試験のポイント

アンサンブル予報の各メンバーを重ね合わせた図から、どちらのほうが予報の信頼度が高いか問うような問題が出されます。


4. 暴風域に入る確率予報

「予報円」だけでは、自分の住む地域が具体的にどれくらい危険なのかが分かりにくいため、より客観的なリスクを示すために発表される情報です。

  • 定義: 台風の暴風域(風速25m/s以上)に入る確率を、地域ごと(またはメッシュごと)に計算したもの。
  • 対象期間: 120時間(5日)先まで。
  • 発表のタイミング: 1日4回(6時間ごと)。

分布表示(メッシュ情報): 地図上で確率の高い場所を色分け表示し、危険エリアを一目で把握できます。

引用元:気象庁HP

時系列表示(グラフ): 特定の地点で「いつ頃から確率が上がり、いつピークになるか」を時間軸で示します。

引用元:気象庁HP

【防災上の注意】: 確率が「数%程度」と低く見えても、普段は0%の極端現象であるため、数%の確率が出た時点で「台風の直撃リスクが十分にある(要警戒)」と判断し、早めの防災行動を取る必要があります。


5. まとめ:試験対策チェックリスト

  • 予報期間: 台風の進路予想は最大 120時間(5日)先 まで。
  • 発表の切り替え: 日本に接近して影響を及ぼすおそれがある時は、3時間ごとの詳細な「1日予報」や「1時間後推定」が追加される。
  • 予報円の確率: 予報円に台風の中心が入る確率は 70%。円の大きさは「予報の誤差(不確実性)」を表す。
  • 暴風警戒域の構成: 暴風警戒域 = 予報円 + 予想される暴風域
  • 確率予報の対象: 暴風域に入る確率は 120時間(5日)先 まで、1日4回(6時間ごと)発表される。