第59回実技2 問2

(1)

初期時刻には、東経116°付近、高度5220~5400m付近にトラフがあることがわかります。まずはこのトラフの12時間後の位置について見ていきます。

初期時刻のトラフと同じ高度付近で、少し東を見てみますと、等高度線が曲率をもっていることがわかります。さらに、東経120°付近に、+221や+231と書かれた正渦度極大点を含む等渦度線の尾根がありますので、それに沿ってトラフを解析することができます。このトラフと5280mの等高度線との交点は、東経125°です。

次に24時間後のトラフ位置です。12時間後のトラフ解析と同様にして、12時間後よりも東側で、同じぐらいの高度について着目します。+162と書かれた正渦度極大点を含む等渦度線の尾根がありますので、トラフを解析することができます。5280mの等高度線との交点は、東経136°となります。

初期時刻から24時間後までのトラフの位置は以下のようになります。

まず初期時刻から12時間後までの移動距離は、地図上で29mmであり、北緯30°から40°の600海里の地図上の距離が40mmであることを利用すると、12時間後までの実際のトラフの移動距離は

600海里×29mm/40mm=435海里となります。

同様にして12時間後から24時間後のトラフの移動距離は540海里となりますので、トラフは初期時刻から24時間後までに975海里移動することになります。

求める移動の速さは975海里/24時間=40.6ノット

5ノット刻みで40ノットとなります。

トラフの解析位置で誤差が生じるので、解答についてもある程度誤差が許容されているようです。

学科一般知識の復習ですが、地上低気圧中心が、強風軸より高緯度側にあるときに、その低気圧が閉塞過程であるというのが、教科書的なパターンです。そこで、24時間後の天気図から強風軸と低気圧の中心との位置関係を確認します。

渦度0ラインで表される強風軸より高緯度側にあるのは、で示した24時間後に北海道の西にある低気圧です。この低気圧は初期時刻にどこにある低気圧でしょうか。まず下が12時間後の位置です。

そして、下が初期時刻です。

初期時刻には日本海中部にあることがわかります。

次にこの低気圧の移動の速さについてです。

考え方は②と同じです。低気圧は初期時刻から24時間後にかけて378海里移動しますので、移動の速さは15.8ノット、5ノット刻みで15ノットが解答となります。

(2)

まず風向に平行した温度傾度を求めます。最初に点Aと点Bの基準となる長さを求めます。実際の距離は同じでも、緯度が高いほど地図上の距離は短くなります。

次にこの基準の距離を元に、風向に平行した方向の等温線の間隔を求めます。まず点Aからです。

点Aでは等温線の間隔3℃あたり、地図上で6mmということがわかります。北緯40°から50°が38mmですので、風向に平行した方向の3℃あたりの実際の距離は95海里であることがわかります。

風速が40ノットであるため、この95海里(=3℃)を2.4時間で移動します。よって、1時間あたりの気温変化は3℃/2.4h=1.3℃/hです。風向は気温の高い方から吹いているので、+1.3℃/hとなります。

次に点Bです。同様にして風向に平行した等温線の間隔は71海里です。風速は25ノットですので、3℃の気温差を2.8時間で移動します。1時間あたりの気温変化は3℃/2.8h=1.1℃/hです。こちらは点Aとは逆に寒気移流なので、-1.1℃/hとなります。

これは図を読み取るだけの問題です。

それぞれの点から半径300海里の円をかきます。緯度10°が600海里なので、その半分ぐらいの円をかきます。この範囲内の点Aの上昇流の最大値は、-45hPa/hです。点Bの下降流の最大値は+18hPa/hです。

(3)

それぞれの低気圧について、初期時刻からの移動について見ていきます。

まず上が初期時刻です。台湾海峡付近から沖縄の南にかけてのびる前線には、北に凸になっている部分があり、低気圧発生の予兆となっています。

次に12時間後です。初期時刻の台湾海峡付近から沖縄の南にかけてのびる前線に低気圧が発生しています。

次に24時間後です。12時間後に発生する低気圧は、24時間後には低気圧として解析されなくなりますが、気圧の谷となっています。

24時間後の低気圧と気圧の谷の中心から、等温線集中帯の南縁に沿って、風向のシアーと上昇流域を意識しながら前線を解析します。

これを気圧の谷を通すように修正すると上の図のような前線を解析できます。