第58回実技2 問4

(1)

まず、平戸についてです。平戸では7時50分から8時00分の間に、風向が南南西から西北西に変わり、海面気圧が上昇、気温が下降しているのがわかりますので、平戸の寒冷前線通過時刻は800分です。

理由については上述の通り、風向が南南西から西北西に変化し、海面気圧が急上昇し、気温が急降下したため(37字)

となります。

続いて下関についてです。下関では9時00分から10時00分頃にかけて風向がゆっくりと東風から西南西に変化し、気温は9時40分から10時00分まで下降しています。どこを通過時刻とするか曖昧ですが、海面気圧については9時40分から9時50分の短い間に上昇しているので、950分を寒冷前線通過時刻とします。

(2)

それぞれの時刻における浜田の風向については、矢羽を読み取ると、

9時:南南西 12時:西南西 15時:西北西です。

また、浜田付近の山地は、中国地方の縦断方向に北東‐南西方向にのびています。

12時の風向はこの山地の方向におよそ平行に吹いているため、浜田上空の空気塊は山地と平行に移動することになりますので、答えはbです。

一方、15時は山地に向かって風が吹いているので、空気塊は浜田の先で山地にぶつかり、乗り越えることになりますので、答えはaです。

寒冷前線を作図する問題ですが、風のシアーに注目します。西側では、西南西から西の風であり、東側では南南西から南の風となっており。風が収束しています。この風向の変化点を通すように作図すると以下のようになります。

まず12時の予想です。問題文がややこしいですが、聞かれていることは、浜田の風向と地形の関係、風向と等温線の関係についてであり、さらにその上で、下関と比べて温度移流がどうかということです。それぞれ確認していきます。

浜田の風向と地形の関係:①でも触れたように浜田付近には、中国山地が北東‐南西の方向にあります。よって、中国山地に沿った方向に風が吹いているということになります。

浜田の風向と等温線の関係:おおよそ等温線に沿った方向に風が吹いています。

下関との温度移流の比較:浜田はほぼ等温線に沿って風が吹いており、弱い寒気移流となっています。下関では等温線の温度の低い側から高い側に風が吹いており、比較的強い寒気移流と言えます。

これらをまとめると、

中国山地に沿って等温線とほぼ平行な西南西の風が吹き、寒気移流は下関より小さい。(39字)

続いて15時の状況についてです。同様に考えますと

浜田の風向と地形の関係:山地に向かって吹いています。

浜田の風向と等温線の関係:温度の低い方から高い方に向かって吹いています。

下関との温度移流の比較:浜田と下関で風速の大きさや等温線に対する風向は、ほぼ同様ですが、浜田は下関よりも等温線の間隔が狭いため、寒気移流が大きいと言えます。

これらをまとめると、

中国山地に向かう西北西の風が寒気側から吹き、温度傾度の小さい下関より寒気の移流が大きい。(44字)

(3)

北緯35°上で降水強度が最も大きいところをで示しています。6時から12時の間に地図上では35mm移動しているのがわかります。緯度1°すなわち111kmの地図上の長さが23mmであることを利用して、

実際の降水エコーの移動距離は、111km×35mm/23mm=169km

169kmを6時間で移動しているため、その速さは169km/6h=28.1km/h

10km刻みでは30km/hとなります。

(4)

(1)において、寒冷前線通過時の特徴として、風向の変化、気温の急下降、海面気圧の急上昇がありました。浜田においてそのような変化の特徴を探すと、上の図のとおり、11時頃と15時頃に変化があることがわかります。

細かくみると1100分に風向の変化しており、これを時刻Aとすることができます。別解として11時10分にさらに気温が急下降していますので1110分を時刻Aとすることもできます。

同様にして、時刻Bは1500分となります。

平戸や下関においても、風向や気温の変化は浜田と同様ですが、前線通過時の海面気圧の上昇は浜田よりも急激なものです。よって、

前線通過直後の海面気圧の急上昇がみられない。(22字)

選択肢のうち、海面気圧に関係する要素は、大気下層の気温です。気温の高い空気は軽く、地上の気圧は小さくなり、気温の低い空気は、重いため、気圧は高くなります。よって答えはaです。

(1)より平戸の前線の通過時刻は8時00分なので、この前後の風向の地上から上空に向かっての変化を見てみます。前線通過前は、地上から時計回りの風向変化で、通過後は反時計回りの風向変化となります。よって、

前線通過前は上空に向かって時計回り、通過後は反時計回りになっている。(34字)

前問の通り、時刻Aは11時00分、時刻Bは15時00分としたうえで解答していきます。

a

時刻Bでは前線通過前は上空に向かって時計回り、通過後は反時計回りとなっており④と同様の特徴ですが、時刻Aはそうではありませんので、答えはB

b

図12に風向のシアーラインをもって寒冷前線を作図しています。寒冷前線は9時から12時の間に浜田を通過しているため、通過時刻はAとなります。

c

上の図で浜田に降水が確認できるのは9時と12時であり、時刻Bに該当する15時には、降水域はすでに通過しています。よって通過時刻はAです。

まずaですが、15時の浜田付近の等温線の間隔が狭く、気温の低い方から高い方に風が吹くようになったことから寒気移流が強まったと言えます。これにより地上の気温が急下降しています。よってaは正しいです。

次にbに関してです。⑤より地上付近の風向のシアーや降水強度から11時には地上前線が浜田を通過したと言えます。15時にはさらに寒気が入り込み、前線面が上昇していきました。密度が高い寒気層が厚くなることで、15時ごろには海面気圧が緩やかに上昇しつづけていることがわかります。よってbも正しいので、正解はa bです。