第57回実技2 問3

(1)

①北西の比較的弱い風と南西の比較的強い境目がシアーラインとなり、以下のようにかくことができます。なお海岸線からおおむね10km離れたところに関しては記入を要さないと書かれていますので、茨城県沖にシアーラインを伸ばしすぎないようにしてください。緯度1°が111kmなので、緯度の長さのおよそ1/10ぐらいまで伸ばすようにしましょう。

シアーラインの両側を対比して述べよとのことですので、シアーラインの北西側は〇〇、南西側は〇〇というような答え方になります。シアーラインの両側の風の分布の特徴については上で述べたとおりであり、シアーラインの南東側は南西の風で20~40ノットの風、北西側は北から北西方向の風で風速は10ノット以下です。これらを40字程度にまとめますと、

シアーラインの南東側は南西の風で相対的に強く、北西側は北よりの風で相対的に弱い。(40字)

となります。

(2)

①未明から明け方の風向はSとWの中間よりSよりであるため南南西です。ちなみに未明は0時~3時、明け方は3時~6時と定義されています。

4時頃から最大瞬間風速や平均風速が弱まっています。

③海面気圧が最も低いのは3時20分です。

④図10の1行目によると館野では、6時24分~7時23分、7時31分~8時3分、8時6分~8時33分、9時24分~9時53分と断続的な雨があったのです。問題文に当てはめると、6時24分から弱い降水が断続したのです。

6時50分に風向が南南西から西北西へと大きく変化しています。

⑥9時40分以降風速は増加傾向です。

⑦11時頃に気温が急下降しているのがみてとれます。

⑧図10の2行目では、10時0分から10時4分までもやの記号がついています。

⑨図10の2行目、12時10分~12時21分と14時14分~14時34分に断続的な雨がありますが14時35分以降は連続した雨となっています。

⑩日較差は1日の気温差のことであり、気温の最高値は10時30分頃に約20℃、最低値は23時頃の約7℃ですので、日較差は13℃です。

(3)

シアーラインの南東側は南西の風で北西側は北よりの風となっています。風速については南東側の方が大きいです。

館野では、6時40分頃から南南西の風が北よりに変化しているのがわかります。シアーラインが南下し、館野を通過したためと考えられます。これを踏まえて(ア)~(ケ)の選択肢について考えます。

(ア)は4時頃の現象なのでシアーライン通過時の現象ではありません。

(イ)も3時20分であり、シアーラインの通過時の現象ではありません。

(ウ)は上で述べたとおり、シアーライン通過によるものです。

(エ)と(オ)もシアーライン通過と時刻が異なります。

(カ)は(ウ)と同じ時刻であり、シアーライン通過時に北よりにの風になったことにより気温が低下したものと考えられます。

(キ)~(ケ)も時刻が異なります。

よって正解は(ウ)(カ)です。

(4)

求めるべきものがたくさんありますが、まず、逆転層である前線の転移層の上端の気圧についてです。

上層に向かって気温が高くなっている層を探します。935hPaから790hPaにおいて、上層に向かって気温が高くなっている層があるのがわかります。よって転移層の上端は790hPaです。

また、転移層の厚さは下端が935hPaなので935hPa-790hPa=145hPaとなるので、問題の指示通りに10hPa刻みで答えると150hPaとなります

次にこれらについて、気圧ではなく、高度(m)で求めていきます。逆転層の上端の790hPaの高度についてです。800hPaの高度は1955mです。700hPaにおいては3048mとなっていますので、800hPaと700hPaの高度差は1093mとなります。よって、800hPaから700hPaの間においては10hPaあたり109mの高度差ということになっていますので、790hPaの高度は800hPaの高度1955mに109mを加えた2064mということになります。10m刻みで答えると2060mとなります。

次に転移層の厚さを求めます。下端の935hPaの高度は、900hPaの高度が991mで、1000hPaの高度が131mですので991m-(991m-131m)×0.35=690mとなります。

上端の高度が2060mなので逆転層の厚さは、1370mとなります。読み取りの誤差や計算途中の端数処理の関係で答えがかわることから、気象業務支援センターの模範解答についても幅を持たせているようです。

前線の構造の断面図は以下のようにかくことができます。

上の問題から、館野の転移層の上端(前線面)の高度は2060mであることがわかっており、地上前線と館野の距離は260km(260000m)です。このときの勾配の大きさは、260000mあたり2060m高度が変化する勾配であるため、2060/260000となります。これを1/Fのかたちにするために、分母と分子を2060で割ると、1/126となります。10の倍数で答えるとF=130となります。

次に地上の前線帯の幅については、以下のように断面図をかくことで導き出すことができます。

前の問題から転移層の厚さは1370mであり、問題文の条件より、この厚さはどこでも一定です。

転移層の厚さと地上の前線帯の幅(転移層の地上の水平幅)の比は前線面の勾配から1:130となりますので、地上の前線帯の幅は178100mとなりますので、解答は10km刻みで180kmととなります。