第53回実技1 問2

(1)

雲頂高度が高いほど温度が低く、赤外画像では白く写りますので、低気圧の北から北東側では雲頂高度が高いと言えます。

また、この雲域の北縁は、低気圧の南西側では南に凸、北東側では北に凸となっています。

これらはどのようにできるのでしょうか?

発達中の低気圧では、南側からの暖湿な空気が北上し、前線面を上昇しながら雲頂高度の高い雲となります。雲域の北縁は強風軸に対応し、低気圧の西側ではトラフの影響で南に凸、東側で北に凸となります。これらはそれぞれ、低気圧性曲率、高気圧性曲率とも呼ばれます。

さて、問題の解答ですが、

雲頂高度が高く、雲域の北縁が明瞭で高気圧性の曲率をもって(バルジ状となっている)いる。(31字)

となります。

(2)

①図2より低気圧中心付近を通る等温線集中帯の南縁は、12

②等温線集中帯の南縁は12℃に対応しているので、温暖前線及び寒冷前線はこれに沿って書くことになります。しかし寒冷前線において完全に12℃の等温線に沿って書くと、南西部で、30ノットの北西の風と同じく30ノットの西南西の風のシアーラインより北側に来てしまいますので、このシアーラインと気圧の谷を意識して以下のように前線を書くことができます。

③前線面は寒気と暖気が接している部分の暖気側の境界です。図4では、下層から上層に向かって気温が高くなる逆転層が850hPa付近と600hPa付近に見られ、下層の寒気と上層の暖気の境界となっています。それではどちらが温暖前線に対応するのでしょうか?

まず、エマグラムの秋田は850hPaの温暖前線より北側に位置します。よって秋田の温暖前線は温暖前線面の傾斜方向を考えれば、これより高くなることがわかります。また、600hPa付近をより下層で南よりの風、上層で南西の風で鉛直シアーが見られます。さらに、600hPa付近より上層で湿数が小さく、湿潤であることがわかります。温暖前線面における上昇流の影響です。

これらを総合的に踏まえ温暖前線面は600hPaとなります。

④秋田の前線面の気圧は600hPaであることが③よりわかっており、この高度が何mかというのが問題の答えとなります。

問題の条件より、500hPaの高度が5580mで1hPaあたりの高度差は13mとのことですので、600hPaの高度は5580mより1300m低い4280mとなります。

⑤まず、秋田と850hPaの温暖前線との水平距離を求めます。

秋田と850hPaの温暖前線の水平距離は、緯度10°の距離1111kmとの比率から約333kmとなります。

次に秋田の850hPa面と、秋田の温暖前線面である600hPaの高度差を求めます。

秋田の850hPaの高度は1380mと1440mの等高度線の中間ぐらいの1410mぐらいと見られます。

前線は上の図(左)のような傾斜となっており、333000÷2870=116となります(上図右)。

10刻みの整数では120が正解です。

(3)

図4では900hPaから850hPaにかけて逆転層が見られますので、下端は900hPa、上端は850hPaとなります。

また、湿度と気温の鉛直分布の特徴についてですが、湿度は湿数が大きく乾燥していることがわかり、気温は前述のとおり、下層から上層に向かって気温が高くなっています。これらをまとめると

湿度が低く、上空に向かって気温が高くなっている。(24字)

(4)

まず、レーダーで解析されている降水エコーですが、強度が弱いことがわかります。

また、前問でも触れましたが、下層から中層は大気が乾燥しています。

このような条件では、上空に弱い降水が解析されていても、降水粒子が乾燥した空気中を落下中に蒸発してなくなることがしばしばあります。これらをまとめると

降水粒子が、乾燥した層を落下する途中で蒸発するため。(26字)