(1)

図2より、初期時刻のトラフAとトラフBです。

12時間後のトラフの位置を解析する問題ですが、難しいからかヒントとして24時間後の位置は明かされており、12時間後には、初期時刻と24時間後の位置のちょうど間ぐらいにトラフがあるのではないかと予想できます。

等高度線の曲率は不明瞭ですが、高度5160m付近に、正渦度極大点が+324と+256と2点ありますので、トラフAは+324の極大点を通し、トラフBは+256の極大点を通すように解析できます。
よって5160mの等高度線と交わる経度は、
トラフA:東経145°
トラフB:東経149°
(2)
①

千島近海に進むと予想される低気圧中心を☓で示します。

トラフAが5160mの等高度線と交わる点と地上低気圧中心の地図上の距離は17mmです。北緯40°から50°の1111kmの地図上の距離が36mmなので、実際のトラフと低気圧の距離は、
1111km×17mm/38mm=497kmとなりますので、100km刻みで位置関係を答えると
トラフAの北東に500kmとなります。
トラフBについては明らかに低気圧の中心と同位置で距離は0です。
②
低気圧の盛衰に関する問題なので、地上低気圧中心とトラフの位置関係について確認します。トラフが地上低気圧中心の西側(低気圧がトラフの進行方向の前面)にあるときに低気圧は発達します。

まず初期時刻です。トラフの位置を図1に落とし込むと、低気圧はトラフBの前面にあります。

こちらは12時間後です。低気圧はひとつになり、トラフAの前面にあり、トラフBの真下付近に予想されています。つまり初期時刻から12時間後までは、低気圧はトラフBの前面で発達し、12時間後以降はトラフAと結びついて発達することになります。まとめますと、
2つの低気圧は、初めの12時間はトラフBの進行方向前面で発達し(1つにまとまり)、その後の12時間はトラフAの進行方向前面で発達する。(72字)
③

等温線集中帯の南縁を通すように、前線を解析します。等温線が低気圧の中心に向かってくさび形に入り込んでいるので、閉塞した低気圧であることがわかります。気圧の谷を通すように前線位置を微修正すると以下の図のようになります。

(3)
①

問題の気圧の谷とはこの部分のことです。これを下の予想図と照らし合わせて考えます。

鉛直流については、気圧の谷に沿って、帯状に網掛けの領域が伸びていますので、
地上の気圧の谷に沿って帯状の上昇流域となる。(22字)
となります。
気温については、気圧の谷に沿って、等温線が北に凸となり、温度場の尾根となっていますので、
地上の気圧の谷に沿って温度場の尾根となる。(21字)
ということになります。
ちなみにこの気圧の谷はJPCZと呼ばれ、冬型の気圧配置の際に日本海で風が収束する部分となります。
よって、強い上昇流となり潜熱が放出され、周囲より気温が高くなります。この背景を理解しているかを問う問題でした。
②

地上風の分布ということですので、風向と風速について述べます。まず風向ですが、矢羽のデータが少ないので、等圧線の走向から推察します。地衡風は低圧側を左に見て、等圧線と平行に吹きますが、地上風は摩擦があるので、低圧側を左に見つつも、等圧線と平行ではなく、高い方から低い方に少し交わるように吹きます。気圧の谷の南西側はおおよそ西よりの風、北東側は北よりの風となります。
一方で風速は、気圧傾度が大きいほど大きくなるので、等圧線の間隔が狭いほど風は強くなります。等圧線の間隔が狭い、気圧の谷の南西で風が強いです。これらをまとめたのが上の図です。気圧の谷で風が収束するのがわかります。よって解答は、
地上の気圧の谷の北東側は北よりの風、南西側は西よりの風で相対的に強く、気圧の谷付近で風が収束する。(49字)
JPCZが背景にある問題のため、気圧の谷で風が収束するというのが重要です。
③
24時間後の予想図に12時間後の気圧の谷を書き込みます。

気圧の谷は①より帯状の上昇流域に対応していますから、24時間後の東経135°付近では、12時間後の気圧の谷よりも北にあることがわかります。
④

ア▲付近では、相当温位が地上から上空にむかって277K、276K、275Kと低くなっています。
イ上空にむかって相当温位が低くなるような成層状態は、対流不安定とよばれます。
ウJPCZについて問う問題であり、下層のみ湿潤となるこの特徴は、気団変質を受けた気層についてです。よってbとなります。
エ北緯37.9°付近では、地上から750hPaぐらいまでは、上空にむかって相当温位が低くなる分布です。
オ北緯35.9°付近では、地上から800hPaぐらいまでは、上空にむかって相当温位が低くなる分布です。
カ地上の気圧の谷▲付近では、680hPaぐらいまでは対流不安定であり、気層の上端高度が最も高いです。
キ符号と単位から上昇流となります。
ク湿数3℃の線は▲付近では、50hPa刻みで950hPaにあります。
ケ下層が湿潤で強い上昇流域なので、対流性の雲が発達するでしょう。












