第59回実技2 問3

(1)

まず上の図から実線で書かれた湿数を読み取ります。1000hPaでは6℃の太実線と3℃の細実線の間にあり、3℃に近いので4℃と読み取れます。750hPaでは3℃の細実線と0℃の太実線の間で3℃に近いので2℃と読み取れます。

次に図の下の相当温位です。1000hPaでは、282Kの太破線から3本目の細破線なので285Kです。750hPaでは283Kです。

②上の問題の通り1000hPaよりも750hPaのほうが相当温位が低いので、対流不安定です。

鉛直流については図11上の破線に着目します。

38.4°地点について地上から上空にかけて鉛直流を確認すると、地上から負の鉛直流(上昇流)であり、850hPa付近で上昇流の極大となっています。そこから上空にむかって上昇流は弱まっていき、700hPa付近では鉛直流は正(下降流)となっています。以上をまとめますと、

850hPa付近で上昇流が最大となり、700hPa付近で弱い下降流となる。(37字)

38.4°の北(左)側と南(右)側で温度移流が明確なのはどちらでしょうか?

北側では975hPaから800hPaについて、上空に向かって風向が反時計回りとなっています。南側はそれほど変化がありません。これは北側のほうが寒気移流が明確であることを示しますので、

北側では上方に向かって、風向が西北西から西南西へと反時計回りに変化しており、寒気移流がある。(46字)

(2)

下のエマグラムに気温7℃、露点温度は変わらず0℃(輪島と同じ混合比との条件のため)の空気塊の上昇と温度について考察していきます。

地上の気温7℃から上空に向かって、乾燥断熱線に沿って温度が低下していきます。地上の0℃を通る等飽和混合比線乾燥断熱線の交点で空気塊は凝結を始め、ここからは湿潤断熱線に沿って温度が低下していきます。

さらに上空まで湿潤断熱線を伸ばしていくと640hPa付近で、周囲の空気塊と同温度になり、それより上空では、空気塊の温度は周囲の気温より低くなります。よって640hPaで空気塊への浮力がなくなることを意味します。

640hPaでの気温を求めるわけですから、図を読み取り、-20℃となります。

輪島の690hPaから430hPaにかけての気温変化は、湿潤断熱線乾燥断熱線より小さいことがわかります。学科の復習ですが、大気の気温減率が湿潤断熱減率より小さい時は「絶対安定」となります。よって大気の安定性は安定が正解です。理由は上述の通り、

気温減率が湿潤断熱減率より小さいため。(19字)

(3)

まず、領域Aの山aと山bについてです。山aのやや西側付近では緑色のエコーが確認でき、比較的強い降水がありますが、山b付近にはほとんどエコーがありません。標高は山bより山aの方が高いです。まとめますと、

山bより標高の高い山aの西側で降水量が多く、山aより東側は降水がない。(35字)

西風が山aの西斜面にぶつかり上昇流となったところで雨になっており、雨雲が山頂を越えられず、東側では降水がないのだと考えられます。

次に領域Bの山cと山dについてです。こちらも領域Aと同じく風上側の山cのやや西付近に比較的強いエコーがあります。しかしその東側から山dにかけても弱い降水が確認できます。標高は山cよりも山dの方が高く、領域Aとは反対です。これをまとめますと、

山cのすぐ西側から山頂付近にかけて降水量が多いが、山cよりも高い山dにかけても弱い降水がある。(47字)

こちらは、風上側の山cの標高が低く、雨雲が山cを越えたことで、山dにまで降水が解析されています。しかし、山cで多くの雨を降らしているので、山cより東側の降水は弱いようです。

それぞれの山頂から100hPa上方の相当温位の分布について見ることで安定性を求めることができます。上空に向かって相当温位が低くなっていたら不安定、高くなっていたら安定、変化がなければ中立です。

それぞれの山頂から100hPa上方までの範囲を水色で示しています。まず山aは285Kの等相当温位線が1本あるだけで、その上は等相当温位線の間隔が広く、上空に向かってほぼ変化がないことがわかります。よって安定性はほぼ中立です。

山bは下方から283Kと284Kの等相当温位線があるので、上空に向かって相当温位が大きくなっていますので安定です。

山cは左下から、相当温位が高い領域が張り出しており、山頂付近では、下方から286K、285Kとなっているので、上空に向かって相当温位が小さくなっているため、対流不安定です。

山dの山頂付近には等相当温位線がないため、ほぼ中立です。

(4)

36時間後の予想図を見ますと、北日本では発達した低気圧により等圧線の間隔が狭くなり西~北西の比較的強い風が吹く予想です。低気圧によって海面が上昇する高潮警報、海上から強い風が吹くことによる波浪警報が考えられます。また西高東低の強い冬型の気圧配置での北日本ですから風に加えて雪も予想されるため暴風警報(注意報の場合は風雪)や低温注意報も考えられます。また、上空の寒気の影響で、大気が不安定になれば注意報も発令されます。

また、気温について見てみますと北日本の地上付近の気温はおよそ0℃です。

このような条件のときには、なだれ注意報、着雪着氷)注意報も考えられます。

以上の警報や注意報から3つ書ければ正解です。