第59回実技1 問1

(1)

①30KTと書かれているので30ノットです。

②矢印の方向を読み取り、東南東です。

③GWは海上強風警報の記号です。

④⑤海上強風警報の発表基準は最大風速34ノット以上48ノット未満のです。

⑥FOG[W]は海上濃霧警報の記号です。

⑦赤外画像では、温度が低いほど明るく写る特性があります。つまり雲頂高度が高いほど明るい領域となります。

⑧⑨図1の右下に福岡の実況の拡大図があります。全体の雲量は8分雲量で7ですが、雲量記号の右下に書かれている下層雲の雲量は1となっていますので、福岡では、上・中層雲が主体で、下層雲の雲量が8分量の1であることが言えます。

⑩低気圧付近では-27.5℃と周囲よりも気温がいです。

⑪地上では明瞭ではないが、中層以上で明瞭になる寒気を伴ったこのような低気圧は寒冷低気圧とよばれます。寒冷渦や切離低気圧ともよばれます。

(2)

まず、前線の波動とは、前線が北に凸なっている赤丸の部分です。前線の波動周辺部について図3下に落とし込みます。

紫色が地上前線位置です。問題文の指示では鉛直流と温度移流について述べよとのことなので、まず鉛直流について見てみます。波動付近では網掛けの領域ですので概ね上昇流が広がっています。また、鉛直流については、問題文の指示通り、極値について言及する必要がありますので、波動の中心付近で-64hPa/hの上昇流と確認ができます。

温度移流についてですが、波動の西側では、等温線の低い方から高い方に風が吹き寒気移流。東側ではその反対に暖気移流です。

これらをまとまめると、

前線上の波動の周辺では、-64hPa/hの強い上昇流が解析されており、波動の東側で暖気移流、西側で寒気移流となっている。(60字)

(3)

前線の転移層は、前線面付近で下層の寒気層と上層の暖気層の間の部分となります。この付近では上層に暖気層があるため、上層ほど気温が高くなる逆転層であったり、逆転層とまでいかなくても気温減率が小さい層であったりします。また、前線付近では暖気が上昇することで湿潤となります。

図4の中で逆転層で、湿潤(露点温度と気温の差が小さい)層は、630hPa~650hPaの層です。つまり上端は630hPa、厚さは20hPaです。

また、指定高度の比例配分からm単位で厚さを求めます。700hPa面は3070m、600hPa面は4270mであり、700hPa~600hPaの100hPaの厚さが1200mですので、この付近では10hPaあたり120mの高度差となります。転移層の厚さ20hPaは240mの厚さとなります。

前線面は転移層の暖気側、すなわち転移層の上端となります。福岡での前線面高度は630hPaですが、①で求めたように10hPaあたり120mの高度差があることを用いて、m単位では3910mであることがわかります。

福岡から、500km離れた地上の前線への前線面の断面図は以下のようになります。

3910/500000の傾斜となりますので、1/Fの形にするには、3910/500000の分母と分子を3910で割ります。すると10km刻みで、1/130となります。

次に地上の前線帯の長さです。求める前線帯は以下の図の「?」の部分です。

転移層の厚さは前問から240mとわかっています。また、前線帯付近でも前線面傾斜は一定で、水平距離130に対し高さが1となりますので前線帯の長さは240m×130=31200mとなり、10km単位では30kmです。

福岡付近では、雲頂高度が高く、中・上層雲が主体であることが(1)よりわかっています。図4においても湿数3℃以下の領域は中・上層に限られています。転移層との位置関係としては、転移層から上の層が湿潤であることがわかります。これは上述の通り、前線面を空気塊が滑昇することにより冷やされ凝結することによるものです。よって答えは、

湿潤層は転移層から上層(上方)にかけて分布している。(22字)

福岡付近の上空の雲の成因についてです。これも上述の通りですが詳しく見ていきます。

問題文にもありますが、福岡付近に東シナ海から南西風が吹付け暖気移流となっていることがわかります。これを断面図でみると以下のようになります。

東シナ海からの暖気が前線面を滑昇し、空気塊は冷やされ凝結すると言えます。よって、

東シナ海から前線面を滑昇した空気中の水蒸気が凝結したため。(29字)