(1)

上は500hPaの高度について29日21時(上)と30日21時(下)を比較したものです。赤で示した5700m以下の領域が29日21時から30日21時にかけて小さくなっているのがわかります。つまり、この低気圧の30日21時までの24時間の傾向として、高度が上がっているのです。
(2)
黄海の低気圧と比較して温度移流の特徴を述べよということですので、答え方としては、指定字数に応じて、「黄海の低気圧よりも〇〇である。」や「黄海の低気圧では〇〇だが、九州の南東海上の低気圧では△△である。」といった答え方をする必要があります。いずれにせよ、図1の黄海の低気圧の温度移流がどのようかをまず分析する必要があります。

上の図は図7上であり、図1の29日21時の850hPaの気温と風の図です。黄海の低気圧中心付近の温度移流についてですが、低気圧性循環の風があるものの、等温線の間隔が広く、温度移流は不明瞭です。

次に図6の九州の東南海上の低気圧と同じ時刻の30日21時の850hPa天気図です。低気圧中心付近では北緯25°から30°付近に15℃と12℃の等温線が東西に伸びており、南北の温度傾度があることがわかります。それに対して、中心の東側では等温線を横切るような南東の風による暖気移流、西側では西北西の風による寒気移流が見られます。発達する低気圧は、進行方向前面で暖気移流、後面で寒気移流の形となることを思い出してください。
つまり九州の東南海上の低気圧の方が温度移流が強いことがわかりましたので
暖気移流・寒気移流共に黄海の低気圧より明瞭である。(25字)
(3)

まず、選択肢(a)についてです。低気圧中心を結ぶ軸は最初傾いていたがとありますが、図1と図2を比較するとLの位置はほぼ同位置であることがわかりますので、最初から低気圧中心の軸は鉛直方向に立っていました。つまりこれは誤りです。


次に選択肢(b)です。500hPaの低気圧に対する地上低気圧が12時間後には低気圧として予想されなくなるとありますが、12時間後である30日9時や24時間後の30日21時にも地上にはLが書かれていますのでこちらも誤りかと思われますが、結論を言うと誤りではありません。なぜならこの地上低気圧は500hPaの低気圧に対応するものではないからです。
(1)では30日21時にかけて、寒冷低気圧の高度が上がり、寒冷低気圧が不明瞭になりつつあることにふれました。(2)では、30日21時の地上低気圧(九州の東南海上)が、図1で黄海に見られた寒冷低気圧とは異なり、進行方向の前面に暖気移流、後面に寒気移流を持ち、発達する温帯低気圧の特徴を持っていることに触れました。つまり、12時間後以降に500hPaの中心からずれた位置に出現する地上低気圧は、500hPaの寒冷低気圧とは異なった、新たな温帯低気圧です(図1の沖縄付近の気圧の谷が発達したものと考えられます)。よってbは正しいです。
続いて選択肢(c)ですが、前述のとおり、黄海の寒冷低気圧は24時間後にかけて弱まっていく予想となっていますので、これも誤りです。
つまり正解は(b)。




