気象予報士になってよかったこと

気象予報士になって、実際に何か変わったの?」と聞かれることがあります。

正直なところ、資格を取っただけで仕事や生活が劇的に変わるわけではありません。気象予報士になったからといって、すぐにテレビに出演できるわけでも、天気予報の仕事ができるわけでもありません。

それでも、取得してよかったと思うことはいくつかあります。今回は、実際に資格を取って感じたことを中心にまとめてみます

天気予報を見るのが楽しくなった

一番大きかったのは、普段の天気予報の見方が変わったことです。

以前は「明日は雨か、傘を持っていこう」くらいでしたが、資格取得後は天気図を見るようになりました。

「西から低気圧が近づいているから明日は雨かな」

「この等圧線の並びなら風が強くなりそう」

「上空に寒気が入っているから、午後は大気が不安定になるかもしれない」

というように、天気予報の裏側を少し考えられるようになりました。

ニュースで「寒気が流れ込みます」と聞いたときも、「じゃあ具体的にどのくらいの寒気なんだろう」と気になって天気図を確認することがあります。

勉強して終わりではなく、普段の生活の中で知識を使えるのは、気象予報士の面白いところだと思います。

雨が降る理由を説明できるようになった

気象予報士の勉強をする前は、「低気圧が来るから雨」という程度の理解でした。

ところが勉強していくと、同じ雨でも原因がかなり違うことが分かってきます。

前線による雨なのか、低気圧による雨なのか、積乱雲による短時間強雨なのか。

冬なら、日本海側で雪が降る理由も説明できます。

こうしたことが分かるようになると、単なる「天気」だったものが、空気の動きや水蒸気の移動として見えてくるようになります。

この感覚は、資格を取った後もかなり楽しめています。

天気図を見ることが習慣になった

資格取得を目指している頃は、勉強のために天気図を見ていました。

今では、特に理由がなくても気になる天気の日には天気図を見るようになりました。

台風が接近しているときはもちろん、大雪になりそうなときや、強い寒気が入ってきたときなどは、つい気象庁のページを確認してしまいます。

以前なら「今日は寒いな」で終わっていたところが、

「これは冬型が強いな」

「西高東低の気圧配置がかなり強まっているな」

などと考えるようになりました。

気象が好きな人にとっては、これだけでも資格を取った価値があると思います。

難しい資格に合格したという自信になった

気象予報士試験は、簡単に合格できる試験ではありません。

特に働きながら勉強していると、なかなか勉強時間を確保できません。

「今日は疲れたから明日やろう」と思っているうちに、何日も勉強しないこともあります。

それでも少しずつ勉強を続けて、最終的に合格できたことは自信になりました。

資格そのものというより、「難しいことでも、時間をかけて勉強すればできる」という経験が残ったことが大きかったと思います。

気象の話ができるようになった

「話題に困ったときは天気の話」というのは昔から言われていることですが、

気象予報士を取得すると、周囲から天気について聞かれることが増えます。

「今度の台風どうなの?」

「今年は雪が多いかな?」

「なんで今日はこんなに暑いの?」

といった質問です。

もちろん気象予報士だからといって、何日も先の天気を正確に当てられるわけではありません。

それでも、天気図や予報資料を見ながら「今のところはこういう状況です」と説明できるのは楽しいものです。

誰もが知っている資格なので、これをきっかけに、普段あまり話さない人と気象の話をする機会ができたのも意外なメリットでした。

気象災害への意識が変わった

これは資格を取ってから特に実感したことです。

大雨や台風、大雪のニュースを見るとき、以前よりも「どんな災害につながる可能性があるのか」を考えるようになりました。

例えば大雨なら、単純に雨量を見るだけではなく、

「土砂災害の危険はどうなのか」

「河川の水位はどうなっているのか」

「雨が止んだ後も危険が残るのではないか」

と考えるようになります。

天気を知ることが、そのまま防災につながるということを実感できるようになりました。

気象に関する情報を見分けやすくなった

インターネットには、気象に関する情報がたくさんあります。

中には正確な情報もあれば、少し大げさに書かれているものや、本当に可能性があるにもかかわらず、過小に見積もられているものも多くもあります。

気象の基本を勉強したことで、「この情報はちょっとおかしいな」と気づけることが増えました。

もちろん気象予報士だからすべて判断できるわけではありませんが、少なくとも根拠のない情報をそのまま信じることは少なくなったと思います。

資格を取る前より気象が好きになった

これが一番大きいかもしれません。

もともと気象に興味があったから受験したわけですが、勉強を始める前よりも、合格した後のほうが気象を面白いと思うようになりました。

最初は難しかった天気図が少しずつ読めるようになり、毎日の雲の形を見ながら、今日はこんな気象条件だからこんな雲が発生していると教科書で学んだ内容がつながっていく。

この感覚が結構楽しいです。

資格試験なので、当然「合格すること」が目標になります。

でも、合格した後に天気を見る楽しみが残ったことは、思っていた以上によかったことでした。

まとめ

気象予報士になったからといって、生活が大きく変わるわけではありません。

ただ、空を見る目はかなり変わりました。

以前なら何気なく見ていた雲や雨、風、雪について、「なぜこうなっているんだろう」と考えるようになります。

そして、天気予報を見て終わりではなく、自分でも天気図や気象資料を確認して、その日の天気を少し予想してみる。

この「天気を自分で考える楽しさ」を知れたことが、私にとって気象予報士になって一番よかったことかもしれません。

資格を取った後も気象の勉強は続きます。むしろ、試験が終わってからのほうが、純粋に気象を楽しみながら勉強できるようになった気がします。