気象予報士試験の最初の関門となるのが「学科試験(一般知識)」です。
一般知識は、気象現象を理解するための基礎理論を問う試験で、高校地学で学ぶ内容から大学教養レベルまで幅広く出題されます。
とはいえ、毎回まったく新しい問題が出るわけではありません。過去問を見ていくと、毎回のように問われるテーマや出題パターンがあり、基礎をしっかり理解しておけば安定して得点できる科目です。
このページでは、一般知識の出題範囲や勉強法、おすすめの参考書、過去問の活用方法について紹介します。
出題範囲
一般知識では、主に次のような内容が出題されます。
| 分野 | 主な内容 |
|---|---|
| 大気の構造 | 気圧・気温・湿度・大気の鉛直構造 |
| 大気の熱力学 | 状態方程式、断熱変化、潜熱、エマグラム |
| 放射・エネルギー | 太陽放射、地球放射、温室効果、放射収支 |
| 雲と降水 | 雲の種類、凝結、氷晶過程、暖かい雨の過程 |
| 大気力学 | 気圧傾度力、コリオリの力、地衡風、温度風 |
| 気象現象 | 前線、低気圧、高気圧、気団、台風など |
| 気候 | エルニーニョ・ラニーニャ、気候変動など |
| 気象業務法 | 気象業務法、防災気象情報、警報・注意報 |
一見すると範囲は広く感じますが、実際には毎年同じ分野から繰り返し出題されています。
特に熱力学、大気力学、降水過程は頻出分野なので、早い段階で理解しておくと後の学習も楽になります。
問題数と合格ライン
- 問題数:15問
- 試験時間:60分
- 合格基準:おおむね11問以上の正解(難易度により補正あり)
1問あたりにかけられる時間は約4分です。慣れてくると30分ぐらいで終わるので、残りの30分で見直しがてら、もう一度解くことができるぐらいの余裕が出てくるはずです。
計算問題もありますが、複雑な計算はほとんどありません。公式を理解し、落ち着いて解けば十分対応できます。
よく出るテーマ
一般知識は出題傾向が比較的安定しています。
特によく出題されるのは次のような内容です。
- 断熱変化と気温減率
- 飽和水蒸気量と湿度
- 氷晶過程と暖かい雨の過程
- 地衡風・傾度風・温度風
- 前線や温帯低気圧の構造
- 放射収支と温室効果
- 気候変動や二酸化炭素濃度
- 気象業務法や防災気象情報
過去問を何年分か解いていくと、「またこのテーマか」と感じる問題が少なくありません。
毎回少し形を変えて出題されるだけなので、過去問演習は非常に効果があります。
おすすめ参考書
| 書籍 | コメント |
|---|---|
| らくらく突破 気象予報士 かんたん合格テキスト 学科一般知識編 | 私が実際に使用したテキストです。出版から年数は経っていますが、一般知識の内容は大きく変わらないため、この1冊で十分対応できました。図も多く、初学者にも取り組みやすい一冊です。 |
| 一般気象学 | 気象予報士試験の定番ともいえる参考書です。試験問題の元になっていると思われる内容も多く掲載されています。ただし内容はかなり本格的で、最初の1冊として読むには難しく感じる人も多いと思います。基礎を学んだあとに辞書のように使うのがおすすめです。私は使わずとも試験問題に対応できました。 |
過去問の活用方法
一般知識は、過去問を繰り返し解くことが最も効果的な勉強法です。
目安としては、10年分程度を何周も解くことをおすすめします。
15問×年2回の試験なので、10年分でも300問ほどです。
最初は正解できなくても気にする必要はありません。
重要なのは、
- 間違えた問題
- 正解したものの自信がなかった問題
この2種類を重点的に復習することです。
すべての問題について、「なぜその選択肢が正しいのか」「なぜ他の選択肢が間違っているのか」を説明できる状態になれば、本番でも安定して得点できるようになります。なぜなら、出てくる試験問題のほとんどが過去問とほぼ同じものや、少し形を変えただけのものだからです。たまに全く新しい問題も出ますが、15問中4問間違えても合格できるので、基本ができていれば大きな影響はありません。
当サイトでも、一般知識の過去問について順次解説記事を掲載していく予定です。
まとめ
一般知識は、暗記だけで乗り切る試験ではありません。
もちろん覚える内容もありますが、それ以上に「なぜそうなるのか」を理解しているかどうかが重要です。
一度仕組みを理解してしまえば忘れにくく、似た問題にも対応できるようになります。また、実技試験においても必要な知識となる部分が多いです。
出題傾向も比較的安定しているため、基礎を固めたうえで過去問を繰り返し解けば、十分に合格点を狙える科目です。
このサイトでは、一般知識で頻出となるテーマや過去問の解説を順次公開しています。学習の参考として、ぜひ活用してください。
