気象予報士試験に合格したら、次にやることがあります。
それが「気象予報士の登録」です。
試験に合格しただけでは、まだ気象予報士として登録された状態ではありません。気象予報士になるには、気象庁長官の登録を受ける必要があります。(試験に合格している方であればもちろん知っていますね)
登録方法には、書面で申請する方法とオンラインで申請する方法があります。
この記事では、そのうち筆者も行ったオンライン申請について詳しく説明します。
なぜ私がオンライン申請を選んだかというと、安いからです。
オンライン申請の手数料が2,900円なのに対し、書面での申請は3,600円+切手代がかかります。
ただし、オンライン申請をやってみた感想としては、なかなかハードルが高いなと感じました。
まず、気象予報士試験に合格する人は少なく、申請の方法をまとめたサイトはあまりありません。
その中でもオンライン申請についてまとめた記事というのはほとんどなく、気象庁HPを参考にしながら頑張って進めていくしかありませんでした。
私もこういう行政手続きは、最初に「オンラインでできる」と聞くと簡単そうに感じたのですが、実際にやろうとすると、
「e-Govって何?」
「アプリを入れる必要があるの?」
「電子証明書ってどうすればいいの?」
「どこから気象予報士の申請を探すの?」
と、意外と手順が多く、分からないことが多いんですよね。
特に気象予報士試験の合格者の場合、e-Govを使う機会なんてほとんどなかった人も多いと思います。
そこでこの記事では、できるだけ「パソコンの前に座ってから何をすればいいのか」が分かるように、e-Govの準備から申請まで順番に説明していきます。
なお、この記事は2026年9月時点の気象庁・e-Govの公式情報をもとにしています。実際に申請するときは、最新の公式ページも確認してください。
0. まず知っておきたいこと
最初に結論からいうと、気象予報士のオンライン登録申請には、次のようなものが必要です。
- パソコン(スマホだけではだめです)
- マイナンバーカード
- マイナンバーカードリーダー(読み取り機能があるスマホとケーブルでも可)
- ネットバンクの口座
そして、登録手数料は2,900円です。
気象庁によると、オンライン申請の場合は電子証明書が必要で、合格証明書と本人確認書類はスキャナで取り込んだファイルを添付します。
スマートフォンだけで完結する手続きではないので、ここは最初に知っておいたほうがいいでしょう。
意外と盲点なのがネットバンクの口座です。持っていない人も多いでしょう。
私は、たまたますべて持っていたのでオンラインとしましたが、持っていなければ、このためにわざわざ買うのはもったいないので、書面申請にしましょう。
1. 事前準備
1-1.まずパソコンを用意する
まずはパソコンです。
e-Gov電子申請は、スマートフォンから行うことはできません。
2026年9月時点では、Windows 10・11やmacOSなどが対応しています。WindowsではChrome、Edge、Firefoxなどが利用できます。
普段スマホしか使っていない人は、ここが最初のハードルかもしれません。
とはいえ、特別に高性能なパソコンが必要なわけではありません。
e-Govの案内では、CPUは1GHz以上、メモリは2GB以上、空き容量20MB以上などが必要条件として示されています。
気象予報士試験の勉強に使っていた普通のパソコンがあるなら、基本的には問題ないでしょう。
1-2.e-Govのサイトを開く
まず「e-Gov 電子申請」と検索します。
公式サイトを開くと、e-Gov電子申請のページがあります。
ここから利用準備を進めます。
e-Govでは、電子申請を始める前に、
「アカウントの準備」「ブラウザの設定」「アプリケーションのインストール」
という3つの準備をするよう案内しています。
この3つを先に終わらせておけば、その後の申請がかなり楽になります。
1-3.e-Govアカウントを作る
e-Govを初めて使う場合は、アカウントを準備します。
e-Govでは、
- e-Govアカウント
- GビズID
- Microsoftアカウント
などをログインに利用できます。
個人で気象予報士の登録をするだけなら、すでに使っているアカウントがなければe-Govアカウントを作る方法が分かりやすいと思います。
e-Govアカウントを作る場合は、メールアドレスを登録して、そのメールアドレスに届く案内に従って登録します。
e-Gov公式では、アカウント取得は3ステップで完了すると案内されています。
ここはそれほど難しくありません。
ただし、e-Govアカウントでは2要素認証などの設定が必要になります。
スマートフォンを持っている場合は、認証アプリを使った2要素認証を設定することもできます。e-Gov公式ではGoogle AuthenticatorやfreeOTPを使った方法も案内されています。
1-4.e-Gov電子申請アプリをインストールする
ここからが少し「行政手続きっぽい」ところです。
e-Govで電子申請するには、「e-Gov電子申請アプリケーション」をパソコンにインストールします。
「ブラウザで全部できるんじゃないの?」
と思うかもしれません。
私も、ここでめんどくさいなと思いました。
実際には、Webブラウザから手続きを検索することはできますが、「申請書入力へ」を押すとe-Gov電子申請アプリケーションが起動する仕組みになっています。
つまり、最終的にはアプリが必要です。
1-5.Windowsの場合のインストール方法
Windowsを使っている場合は、e-Govの「利用準備」ページからWindows版のアプリをダウンロードします。
ダウンロードしたファイルはZIP形式になっているので、まずZIPファイルを展開します。
展開すると、その中に「setup.exe」というファイルがあります。
これをダブルクリックします。
するとインストール画面が表示されます。
あとは基本的に画面の指示に従って進めていけば大丈夫です。
大まかな流れは、
「setup.exe」を起動
↓
インストール画面が表示される
↓
「次へ」
↓
使用許諾に同意
↓
インストール先を確認
↓
「次へ」
↓
インストール開始
↓
完了
となります。
e-Govの公式手順でも、Windows版はZIPを展開して「setup.exe」を起動し、使用許諾への同意、インストール先の指定を経てインストールする流れになっています。
この工程はPCに慣れている人ならそんなに難しくないと思います。
1-6.「Microsoft .NET Framework」が出てきたら?
Windowsの場合、途中で「Microsoft .NET Framework 4.7.2以上」のインストールを求められることがあります。
これはe-Govアプリを動かすために必要なものです。
もしインストールされていなければ、e-Govのインストーラーからインストールできます。
画面に「同意する」などのボタンが表示されたら、案内に従って進めます。
その後、Windowsの「ユーザーアカウント制御」が表示される場合があります。
「このアプリがデバイスに変更を加えることを許可しますか?」
といった内容の画面です。
e-Govのインストールを進めている途中で表示されたものであれば、「はい」を選択して進めます。
e-Gov公式のインストール手順でも、この確認画面が表示された場合は「はい」を選択する流れになっています。
この辺は私もよくわからないまま進めていました。
1-7.インストール先は基本的に変更しなくてOK
途中で、
「どこにインストールしますか?」
という画面が出てきます。
特にこだわりがなければ、初期設定のままで大丈夫です。
e-Gov公式では、Windows版の既定のインストール先として、
C:\Program Files (x86)\eGovClient\
が設定されています。
ここをわざわざ変更する必要はありません。
そのまま「次へ」を押して進みます。こだわりがあるなら変えてもいいです。
1-8.Macの場合はもっとシンプル
私はMacは持っていないのでわかりませんが、Macはe-Govに限らずインストール操作がシンプルなようです。
Macを使っている場合も、e-Gov電子申請アプリをインストールします。
ダウンロードしたインストールプログラムを起動し、
「続ける」
↓
使用許諾を確認
↓
「同意する」
↓
「インストール」
という流れで進めます。
途中でMacのパスワード入力を求められたら、自分のパスワードを入力します。
最後に「閉じる」を押せばインストール完了です。
1-9.ブラウザのポップアップを許可する
ここも地味に重要です。
e-Govでは、ブラウザのポップアップブロックが有効になっていると、「申請書入力へ」をクリックしても画面が切り替わらないことがあります。
「ボタンを押したのに何も起きない」
となったら、まずポップアップブロックを疑ってみてください。
e-Gov公式でも、事前にブラウザのポップアップブロック設定を確認するよう案内しています。
こういうところが、e-Govを初めて使うときに一番戸惑いやすい部分だと思います。
ポップアップロックの操作は使っているブラウザによりけりであり、検索すればすぐ解説サイトがヒットするのでここでの解説は割愛します。
1-10.ここまでできたら一度ログインしてみる
アプリのインストールが終わったら、e-Gov電子申請アプリを起動します。
ログイン画面が表示されるので、先ほど作ったe-Govアカウントなどでログインします。
ログインできれば、「マイページ」が表示されます。
e-Govのマイページでは、申請した手続きの状況を確認したり、基本情報を編集したりできます。
ここまで来れば、e-Govの準備はほぼ完了です。
1-11. JPKI利用者ソフトのインストール
オンライン申請の場合に、電子証明書が必要となります。その役割を担うのがJPKI利用者ソフトを利用したマイナンバーカードです。
スマホでマイナンバーカードを読み取る場合は、PCとスマホの両方に電子証明書アプリであるJPKI利用者ソフトをインストールする必要があります。
申請時に必要となるのであらかじめ公的認証サービスポータルサイトからインストールしておきましょう。
2. 申請作業
2-1.いよいよ「気象予報士の登録」を探す
ここからが本番です。
e-Govで「気象予報士の登録」という手続きを検索します。
検索結果から、気象予報士の登録に関する手続きを選択します。
e-Govでは、手続きの検索結果から目的の行政手続きを選択し、詳細を確認してから「申請書入力へ」へ進む仕組みです。
ここで「気象予報士」と検索すれば候補を見つけやすいと思います。
そして目的の手続きを開きます。
2-2.「申請書入力へ」をクリック
手続きの詳細画面を確認して、問題なければ「申請書入力へ」をクリックします。
ここから先は、e-Gov電子申請アプリが起動します。
Webブラウザ側に、
「e-Gov電子申請アプリケーションを起動しますか?」
といった確認が表示された場合は、アプリを起動します。
e-Gov公式でも、ブラウザから「申請書入力へ」を押すとアプリの起動画面が表示され、「e-Gov電子申請アプリケーションの起動」からアプリを起動する流れが案内されています。
ここでアプリが起動しない場合は、先ほど説明したポップアップブロックなどを確認してください。
2-3.申請者情報を入力する
申請書の入力画面が表示されたら、自分の情報を入力していきます。
ここは住民票や本人確認書類を手元に置いておくと安心です。
「たぶんこれで合っている」
ではなく、本人確認書類を見ながら入力したほうがいいです。
行政手続きは、こういう基本情報の入力ミスが一番もったいないです。
2-4.合格証明書の番号を入力する
気象予報士試験の合格者が特に注意したいのがここです。
登録申請では「合格証明書の番号」を使用します。
受験したときの「受験番号」とは別なので注意してください。
合格証明書を手元に置いて、その番号をそのまま確認しましょう。
気象庁も、登録申請書に記載する番号について、受験番号ではなく合格証明書の番号を記載するよう注意を促しています。
試験を受けているときは受験番号を何度も見ているので、ついそちらを入力してしまいそうになります。
ここはかなり注意したいところです。
2-5.合格証明書をスキャンする
次に、合格証明書を添付します。
気象庁は、オンライン申請の場合、合格証明書をスキャナで取り込んだファイルを添付するよう案内しています。
スマホのアプリなどでカメラ機能をつかってPDFに変換するアプリがいくつかあるので、それを使うといいでしょう。
例えば、
「気象予報士_合格証明書.pdf」
のような名前にしておくと後で分かりやすいです。
ファイルを選択する画面が出たら、先ほど保存した合格証明書のファイルを選びます。
添付した後は、ちゃんとファイル名が表示されているか確認します。
2-6.本人確認書類をスキャンする
次に本人確認書類です。
気象庁が案内しているのは、
- 住民票の写し
- マイナンバーカード
- 運転免許証
- その他これらに類するもの
などです。
ここで重要なのが、必要な情報です。
氏名、生年月日、住所
この3つが確認できればよく、住民票については世帯主・続柄・本籍などは不要とされています。
マイナンバーカードを使用する場合は、マイナンバーが判読できない状態にして提出する必要があります。
ここは絶対に忘れないようにしましょう。
2-7.電子証明書を使って申請する
ここがオンライン申請の最後の大きなポイントです。
気象庁によると、気象予報士の登録をオンラインで申請するには、対応する認証機関が発行する電子証明書が必要です。
電子証明書は、簡単にいうとオンライン上で本人確認をするためのものです。
e-Govでは、電子証明書を「書面による手続きにおける実印・印鑑証明書に相当するもの」と説明しています。
先ほど、インストールしたPCとスマホのJPKI利用者ソフトを立ち上げます。
PCとスマホをUSBケーブルで接続し、スマホでマイナンバーカードをかざして読み取ります。
これで、申請の電子証明書となります。なお求められるパスワードは、マイナンバーカード作成時に設定した署名用電子証明書用暗証番号を入力してください。英数字6~16字のものです。
私はここで、なぜかなかなか認証がうまくいかず(アプリの不具合?)、かなり時間がかかりました。
2-8.入力内容を確認する
ここまで来たら、いったん落ち着きます。
私はこの「提出前の確認」は大切だと思っています。
特に、
「受験番号ではなく合格証明書番号になっているか」
はもう一度確認しましょう。
添付ファイルも、ちゃんと開けるファイルなのか確認しておくと安心です。
2-9.申請を送信する
内容に問題がなければ、申請を送信します。
これで、
「気象予報士の登録申請を気象庁に提出した」
という状態になります。
紙の申請とは違い、わざわざ封筒に入れて郵便局へ持っていく必要はありません。
e-Govでは、申請後の手続きの処理状況をマイページなどから確認できます。
申請が終わったら、申請した日時や受付番号などを控えておくと安心です。
スクリーンショットを残しておくのもいいと思います。
2-10.登録手数料を納付する
気象予報士の登録には手数料がかかります。
オンライン申請の場合は2,900円です。
インターネットバンキングから納付できます。
このあたりは実際の申請画面に表示される案内を確認しながら進めるのが安全です。
2-11.あとは気象庁の審査を待つ
申請と手数料の納付が終わったら、あとは気象庁による審査です。
気象庁によると、標準処理期間は15日です。
登録手続きの案内では、申請書類の審査に約2週間かかるとされています。
書類に不備がある場合は、気象庁から電話などで連絡があります。
問題なく進めば、気象庁から「気象予報士登録通知書」が送られてきます。
申請から3週間程度経っても連絡や登録通知がない場合は、気象庁への問い合わせが案内されています。
私は、合格発表の次の日にオンライン申請をしましたが、SNSを見ると書面申請をした人のほうが先に登録通知が来ているようでした。オンライン申請をしたからといって特別審査が早いわけではないようです。
また、e-Govにて審査のステータスを見ることができますが、審査中のまま登録通知書が送られてきたので、担当者がちゃんと更新していないこともあるようです。
3. まとめ
気象予報士試験は、合格するまでが長い試験です。
何ヶ月、何年も勉強して、ようやく合格。
そこで「やったー!」となって、そのまま登録申請を後回しにしてしまう気持ちはかなり分かります。
私は、一日でも早く気象予報士になりたかったので、すぐに登録申請をしました。
ただ、オンライン申請にして良かったかと聞かれると必ずしもそうは言えません。
費用が少し安いのと、いい経験になったというところは良かったですが、非常に面倒でした。
書面申請の方が圧倒的に楽だと思います。
そして、オンラインだからといって特に早いわけではありません。
しかし、いずれにせよ申請は早めにやっておくといいと思います。
そして登録通知書が届いたときに、改めて「気象予報士試験に合格したんだな」と実感できると思います。
これから気象予報士として仕事をする人も、趣味や自己研鑽として資格を取った人も、まずはここまできちんと終わらせておきましょう。
