第66回気象予報士試験 実技1 問5【過去問解説】

引用元:気象業務支援センター

(1) シアーラインの移動と気象状況

引用元:気象業務支援センター

問4で着目したシアーラインの風、気温、降水の特徴について、再度見てみます。

引用元:気象業務支援センター(一部加筆)

まず、風は、シアーラインの北側では北北西から西よりの風、南側では南よりの風となっています。

気温については、シアーラインの北側のほうが南側より高い分布となっています。

そして降水については、下の図の通り、シアーラインに沿って強い分布となっています。

引用元:気象業務支援センター(一部加筆)

ここで高田の気象状況を見てみます。

引用元:気象業務支援センター(一部加筆)

まず、風についてですが、最初に西よりの風でしたが、南よりの風に変化し、また西よりの風に戻っています。高田がシアーラインの北側に位置していたが、南側となり、また北側になったということになります。見方を変えれば、シアーラインが高田の南側にあったが、高田の北側に移動し、また南側に移動したとも言えます。

次に気温についても同様のことが言えます。気温が高かったのが、低くなり、また高くなっています。風向からの判断と同じく、シアーラインが高田の南側にあったが、北側に移動した後、また南側に戻ったことを示しています。

次に降水については、降水のピークが二回あることがわかります。シアーラインに沿って降水のピークがあるわけなので、シアーラインが高田を二回通過したことを示しています。

上述の、シアーラインが高田の南側から北側に通過し、再度南側に通過した説明と整合がとれます。

よって、シアーラインの移動に関する説明は、

シアーラインは北上して高田を通過後、南下して再び高田を通過した

となります。

理由としてはこれまで述べたとおりです。

風と気温の変化については、

西よりの風が南よりの風に変わり気温が下降したが、再び西よりの風に変わり気温が上昇した。(43字)

降水の変化については、

降水の強さのピークが2回あった。(16字)

となります。

(2) 雪水比

引用元:気象業務支援センター

① 雪水比の算出

引用元:気象業務支援センター

高田の0時から24時までの降雪量の合計/降水量の合計にて求めます。

引用元:気象業務支援センター(一部加筆)

降水量の合計は、0.5+0.5+1.0+1.0+3.0+6.0+3.5+0.5+2.0+5.0+6.5+5.5+3.5+1.5=40.0

降雪量の合計は、1.0+1.0+2.0+3.0+5.0+2.0+2.0+4.0+4.0+3.0+1.0=28.0

よって雪水比は28.0/40.0=0.7となります。

② 降雪量の算出

引用元:気象業務支援センター
引用元:気象業務支援センター(一部加筆)

雪水比が一定という条件から、降雪量は降水量に比例します。よって前6時間降水量が最大の時間帯に前6時間降雪量も最大になります。

前6時間降水量の最大は前1時間降水量のグラフ6本分が最大となる時間帯を求めます。

15時の前1時間降水量から20時の前1時間降水量のグラフの6本が最大となります。

その合計は、3.0+5.5+3.5+3.5+4.0+4.5=24.0となります。

雪水比は高田と同じなので、

降雪量(cm)=降水量(mm)×雪水比(cm/mm)=24.0×0.7=16.8

となります。1cm刻みでの解答では、17cmとなります。

起時というのは、何時の前6時間降雪量かということです。これは20時の前6時間降水量です。

(3) 警報・注意報への適用

引用元:気象業務支援センター

これは頻出問題ですが、気温が0℃付近の条件で降雪が予想されると、湿った雪となり、着雪注意報や着氷注意報が出されやすくなります。

図12においても、降雪が多い時間帯の気温は0℃前後を推移しています。

よって想定される注意報は、着雪注意報(着氷注意報)となります。

理由については、

気温が0℃付近で、並以上の雪が数時間以上降り続くため。(27字)

となります。気温の条件と、降雪の多さが着雪(着氷)注意報に繋がります。