(1) トラフの移動

36時間後の2日9時には東経145°付近、高度5460m付近を中心にトラフが予想されていますので、24時間後の1日21時にはそれより少し西側で、同じぐらいの高度に、等高度線の曲率が大きいところや、正渦度極大点がないかを探します。

上の図のように、5460mと5520mの等高度線の曲率がやや大きくなっており、正渦度極大がある位置にトラフを解析できます。24時間後に5460mの等高度線と交わるのはおおよそ東経137°付近です。

12時間後の1日9時についても同様に解析すると、曲率の大きい部分と正渦度極大をとおる上の図のようになりますので、5460mの等高度線と交わるのは東経126°付近です。
(2) 低気圧とトラフ
低気圧の発達とトラフの関係といえば、低気圧の西側にトラフがあるとき、低気圧は発達し、真上あたりで最盛期となるという理論ですので、そのような解答になるはずです。

まず12時間後にはトラフは地上低気圧中心の西側にあります。

24時間後にかけてトラフは東北東進し、地上低気圧中心の真上あたりに予想されています。
よって下記のようにまとめればいいわけです。
トラフは東北東進し、西側から地上低気圧に接近する。(25字)
(3) 強風軸の解析
強風軸と渦度の関係は以下のようになります。

北半球の上空では、一般的に温度風により西風となっています。その西風の風速の差から上の図のように渦度が生まれます。強風軸より北側では渦度が正で、南側では渦度が負となります。
正渦度の南縁の渦度0のライン付近が強風軸となります。
今回の場合は、下記のように強風軸を解析できます。

東経135°付近では5520mの等高度線に最も近く、理由は上述のとおり、
500hPa面の正渦度域の南縁(渦度ゼロの等値線)に最も近いため。(23字)
(4) 低気圧の構造
① 低気圧と気温分布
低気圧中心の半径400kmはおおよそ下記の範囲です。


温度の分布ということですので、どこが高温(低温)かや、温度傾度が大きい(小さい)について述べればよいです。中心の南東側は等温線が何本も集中しており、温度傾度が大きくなっていることがわかります。また気温は、おおよそ北西から南東に向かって高くなっていることがわかります。よって、
地上低気圧の南東側では、水平温度傾度が大きく相対的な高温域となる。(36字)
水平温度傾度が大きい部分(前線)が中心の南東側となり、低気圧の西側から寒気がかなり入ってきている様子を答えさせる問題です。低気圧が衰退期を迎えていることが読み取れます。
② 低気圧と温度移流及び鉛直流
まず温度移流についてです。
低気圧の南側の大半で寒気移流で、東側で一部暖気移流となっています。寒気が中心に南側から回り込む衰退期の特徴を示しています。よって解答は、
地上低気圧の東側で暖気移流となり、南側で寒気移流となる。(31字)
次に鉛直流についてです。上昇流は中心から東側、下降流は南側に広がっています。さらにその極値にも触れながらまとめると下記のようになります。
地上低気圧の中心付近から東側にかけて最大-80hPa/hの上昇流となり、南側では最大+20hPa/hの下降流となる。(58字)
(5) 前線の作図
衰退期の前線なので、閉塞していると考えます。
風速のシアーと等温線集中帯の南縁をとおるように前線を解析すると以下のようになります。
また閉塞点の後面は等温線が縦に複数本集中しており、前面より温度傾度が大きいことがわかります。
よって、閉塞前線の前面より後面の寒気が強いため、寒冷型閉塞前線となり、寒冷前線の走向に沿って解析されます。


地上の気圧の谷をとおるように前線を修正すると上の図のようになります。
(6) 低気圧の移動の解析
① 低気圧の移動

低気圧中心は24時間後には日本海中部付近に位置しています。

36時間後には、北緯40°東経140°付近と北緯42°東経147°付近に低気圧があります。どちらの低気圧が初期時刻に東シナ海にある低気圧でしょうか?
初期時刻に東シナ海にある低気圧は、24時間後には閉塞前線を伴い衰退する予想なので、北緯42°東経147°の低気圧ではなさそうです。また、24時間後には、等圧線が南東に張り出し新たな低気圧ができる予兆がありますので、この新たな低気圧が北緯42°東経147°の低気圧と考えられます。
よって初期時刻に東シナ海にある低気圧は36時間後には北緯40°東経140°に位置します。
② 低気圧の変化

36時間後の予想図に24時間後の低気圧中心位置を重ねると上の図のようになります。
中心気圧は996hPaから1000hPaに変化しているため+4hPaとなります。
移動については緯度10°分の600海里が地図上で40mmであることを利用して、低気圧の地図上の移動距離が15mmなので、実際の移動距離は600海里×15mm/40mm=225海里となります。
12時間で225海里移動する速さは、225海里/12h≒20ノットとなります。
移動方向は16方位で東北東です。
③ 低気圧の移動の速さの変化
同様に12時間後から24時間後の低気圧の移動の速さを求めます。

上の図のように、12時間後から24時間後にかけて、300海里移動します。移動の速さは25ノットとなります。
24時間後から36時間後の移動の速さは、②のとおり20ノットなので、12時間後から24時間後の移動の速さに比べて、24時間後から36時間後の移動の速さは遅いです。












