第66回気象予報士試験 実技1 問4【過去問解説】

引用元:気象業務支援センター

(1) シアーラインと温度、降水強度

引用元:気象業務支援センター

まず気温分布の特徴です。

引用元:気象業務支援センター

シアーラインの北西側と南西側を比較すると、北西側のほうが気温が高い分布となっています。

字数制限も短いのでシンプルに下記のように回答します。

シアーラインの北西側は南東側に比べて高温となっている。(27字)

次に、エコー分布についてです。

引用元:気象業務支援センター(一部加筆)

シアーラインの位置をエコー図に落とし込むと上の図のような位置関係になります。解答の指定として、降水強度5mm/h以上のエコーが主語となっているので、黄色やオレンジのエコーの分布とシアーラインの対応をさぐります。

すると明らかにシアーラインに対応して、黄色やオレンジのエコーが分布していることがわかります。

よって、

降水強度5mm/h以上のエコーは概ねシアーラインに沿って分布している。(36字)

となります。

シアーラインを挟んで温度や風向風速の差があることや、シアーライン付近で降水強度が大きいということは、実技試験では頻出の内容となっています。

(2) 等温線の作図

引用元:気象業務支援センター
引用元:気象業務支援センター(一部加筆)

解答は上記の緑線のようになります。多少ズレても許容されますが、下記のルールを守って引いてください。

  • -2.0℃より気温が高い点低い点の間を必ず1本通す。
  • -2.0℃の点を必ず通る
  • 高い点高い点低い点低い点の間は通らない(通す場合は2本通す)
  • 四角い枠線から枠線までつなぐ

また、高い点低い点の間を通るとき-2.0℃の等温線は、-2.0に近い観測点の方に寄せて通してください。

(3) シアーラインの作図

引用元:気象業務支援センター

(1)で得られた特徴は、シアーラインが降水強度が大きいところに対応していることと、シアーラインを挟んで、北西側で温度が高く、南東側で温度が低いことです。

まず降水強度が大きいところに沿ってシアーラインを解析すると下記のように二股なシアーライン案が描けます。

引用元:気象業務支援センター(一部加筆)

シアーラインは二股にならないので、どちらか一方がシアーラインとなります。

つぎに温度分布との比較です。

引用元:気象業務支援センター(一部加筆)

温度分布と比較してもシアーラインが沿岸部であり、観測点が少ないのであまりよくわかりません。高田の西側の1.1℃の点は高温なのでシアーラインの北西側かなという程度です。

ここで、シアーラインであるので風向の違いにも注目します。シアーラインの北西側では北西の風、南東側では南の風が卓越しています。すると2本のシアーラインのうち南側のルートでは、新潟県と富山県の間にある南風を観測している地点と整合がとれなくなります。

よって北側をとおるシアーラインが正解に近いものと思われます。しかし1.1℃を観測し、北西の風が吹いている地点はシアーラインの北西側であるはずなので、シアーラインの作図を調整して下記のようになります。

引用元:気象業務支援センター

(4) シアーラインの成因

引用元:気象業務支援センター

まず、アのJPCZに伴うシアーラインではありません。

なぜなら、問3でもでてきましたが、JPCZの南側では西風、北側では北北西風という構造でした。このシアーラインでは、南側が南風となっており、整合がとれません。

また気温の分布に関してもJPCZ付近は高温でしたが、このシアーラインではシアーライン付近が高温域ということはありません。

ということで、季節風由来のものであると判断できます。

このシアーラインでは、南西側(陸地側)の気温が低くなっております。一方で冬型の気圧配置で季節風が吹いてくる方向である北西側の気温が高いので、季節風と陸上の冷気との間に形成されたシアーラインといえます。よって解答はです。