(1) 状態曲線の解析
① 雲底高度

①雲底高度を凝結し始める高度として求める問題です。凝結し始める高度は、上のエマグラムのとおり、1000hPaの気温を乾燥断熱線に沿って温度変化させ、地上の露点温度をとおる等飽和混合比線と交わる高度となります。よって、雲底高度は960hPaで、用いた線は乾燥断熱線と等飽和混合比線です。
1000hPaの空気の温度は約16.5℃で、12g/kgの等飽和混合比線上にありますので、1000hPa、16.5℃の飽和混合比は12g/kgであることを意味しています。また、露点温度の破線は1000hPaで約14℃で10g/kgの等飽和混合比となっています。同じ1000hPaで空気の温度を下げたとすると、16.5℃のときは、飽和混合比が12g/kgなので、凝結していませんが、露点温度14℃になったときに、飽和混合比が10g/kgとなり、凝結が始まるということになります。つまり、この空気の混合比は10g/kgとわかります。
この10g/kgの混合比の空気を持ち上げたときは、乾燥断熱線に沿って空気の温度が低下していき、等飽和混合比も12g/kgから小さくなります。そして10g/kgの線と交わったときに凝結が始まるわけです。
② 平衡高度
凝結を始めたあとは、乾燥断熱線ではなく湿潤断熱線に沿って空気の温度は下がっていきます。
このとき870hPa付近で持ち上げた空気塊は、周囲の空気よりも温度が高くなっていますので、空気塊の方が軽くなり、自然と上昇していくようになります。この高度を自由対流高度といいます。さらに上昇していくと440hPa付近で、逆に空気塊よりも周囲の空気の温度が高くなり、浮力がなくなります。
よってこのときの高度は50hPa刻みでは450hPaで、気温は縦軸を読み取り、-24℃となります。
(2) 上空の湿度

相対湿度は、等飽和混合比に対する混合比の割合で求められます。等飽和混合比は気温の線をとおる等飽和混合比線、混合比はその高度の露点温度をとおる等飽和混合比線で求められます。湿数が一番大きい910hPa付近で飽和混合比に対する混合比の割合が小さく、相対湿度が小さいと言えます。
このときの相対湿度は、混合比/等飽和混合比=5.5/10.5=0.52となります。10%刻みでは50%です。
よって求める解答は、高度910hPa、50%です。
(3) 上空の大気の状態

①上のエマグラムのとおり、760hPaより上層と850hPaより下層では、風向と風速が異なります。上層と下層の風向と風速の違いを表すのに適した言葉は、鉛直シアーとなります。
②複数の積乱雲が組織化されたものをマルチセル型の積乱雲といい、単独のものよりも寿命が長くなります。
③④⑤下層が乾燥していると降水粒子が水蒸気に変化する蒸発をしたり、降水粒子が固体の場合は、一気に液体を経ず気体に変化する昇華をしたりします。蒸発や昇華は凝結の反対の状態変化であり、潜熱を吸収し、周囲を冷却します。冷却された空気は重いので、ダウンバースト等の下降流が発生しやすくなります。






