①9日9時の時点で降水強度が最も強い地点を推測します。

9日9時の前12時間降水量の最大は山口県の北部あたりに141mmと予想されています。これは前12時間の降水量であり9日9時の降水強度を示しているものではありません。この山口県の北部あたりの地点は、9日9時よりも前の時間に降水強度が強かったのだと推測できます。(1)で台風が北北東に移動していることがわかりましたので、9日9時には降水強度の強い部分もすこし北北東に移動しているものと考えられます。よって、選択肢のなかでは山陰沖が適しています。
②山陰沖で降水強度が強い理由についてです。順番にひとつずつ見ていきます。
ア 500hPaの寒冷渦の影響で大気が不安定になるため

確かに500hPaの予想図には山陰沖に低気圧があり、寒冷渦の影響があるように思えます。寒冷渦は上層のに寒気が流入し、大気の上層で低圧となるものの、地表付近では低気圧は不明瞭になるものです。この低気圧は台風の影響そのものであり、寒冷渦によって大気が不安定になっているわけではないので、不適当です。
イ 700hPaで強い上昇流となるため

山陰沖では700hPa面の上昇流の極大点が確認できます。上昇流が強ければ、空気塊は凝結し、雲が発達し、降水となります。よってこれは正しいです。
ウ 850hPaで風が収束するため

山陰沖の850hPaにて、南から東の風と、北東から北の風で収束帯が確認できます。この風の収束によって上昇流が強まり、降水強度が強くなっていると考えられますので、適当です。
エ 地形の影響を受けるため。
地形の影響を受けて降水強度が強まるのは、斜面に風が吹き付けて、空気塊が上昇する場合です。山陰沖は海なので該当しません。よって不適当です。
オ 台風の中心が位置するため

9日9時の台風の中心は山陰沖ではなく、陸上にありますし、台風の中心は一般的に下降流となっており、降水強度が弱いことが多いですので、不適当です。
よって答えはイとウです。
③キキクルに関する問題です。
キキクルは下記の説明の通り、土砂キキクル、浸水キキクル、洪水キキクルの3つが運用されています。

土砂災害に対しては土砂キキクル、浸水害に対しては浸水キキクル、洪水災害に対しては洪水キキクルにて予想されています。危険度判定に使用している指数は、それぞれ、土壌雨量指数、表面雨量指数、流域雨量指数です。
しかし、洪水キキクルに関しては、下記のとおり、流域雨量指数に加えて表面雨量指数も危険度判定に利用されています。

よって答えは、
土砂災害:土壌雨量指数
浸水害:表面雨量指数
洪水災害:流域雨量指数、表面雨量指数