
①まず28日9時についてです。オホーツク海に予想されている問題の地上低気圧中心は北緯42°東経147°付近にありますので、図6上に落とし込みます。その低気圧中心付近に、正渦度極大点がないかをさがしますと+258と書かれた正渦度極大点が見つけられます。その周辺の一体が正渦度域ですが、詳細を見てみますと、破線で示される等渦度線が、オホーツク海から日本海中部にむかって湾曲して伸びていることがわかります。この等渦度線の湾曲に沿って渦度の尾根を、強風軸である渦度0ラインまで伸ばすと上のようになります。

続いて27日9時、初期時刻のトラフ解析です。前の問題で、トラフは12時間あたり10°程度移動することが多いと述べました。この問題に当てはめますと、先ほど解析した28日9時のトラフが東経140°付近にありましたから、27日9時では東経120°付近にあるのではないかと予想できます。東経120°付近には+246と+223の正渦度極大点があり東西方向に等渦度線が示す渦度の尾根があります。また、5160mの等高度線には曲率が大きくなっている部分がありますので、その部分から、正渦度極大点を通りながら渦度の尾根にそって渦度0まで伸ばすと上のようになります。よって解答は下記のとおりです。

②低気圧の発達とトラフの関係についてですが、低気圧の西側にトラフが近づく(感覚的に低気圧の中心の西側15°ぐらいの範囲)と低気圧がトラフと結びつき低気圧が発達します。
上の問題で解析した通り、27日9時から28日9時にかけて、トラフは渦度を大きくし(深まり)ながら、北海道付近まで東進し、前線の西側に近づいてくる予想となっています。よって、
北海道の北の前線に、500hPa面のトラフが西方から深まりながら接近するため。(39字)
③盛衰を簡潔に述べよということですので、答えは、発達する、衰退する、維持するの3択です。一番上の図で、28日9時のトラフと低気圧中心の位置関係について記しています。27日9時から28日9時にかけて西側から低気圧中心に接近してきたトラフはの28日9時の時点で、トラフは低気圧中心の西側にありますので、発達するということになります。