
①
a 台風は24時間後に070000UTCと書かれた予報円の中心に移動します。現在の台風の位置との地図上での距離は28mmです。北緯20°から30°の600NMの地図上での距離が41mmであるため、台風は24時間で、28mm/41mm×600NM=408NM移動します。
求める回答は30の倍数でとのことですので420NMとなります。
b 速さの単位であるノットは1時間あたり何海里進むかという定義ですので、24時間で420海里進む速さは、420÷24=18ノットということになります。
c 右下の英語の表の080000の行のPres.の部分を読み取り、990hPaとなります。Pres.はpressureの略で気圧を指します。
d 同様にして、Max Windsの項目を読み取り55ktとなります。Max Windsは最大風速で、Gustは最大瞬間風速です。
e 48時間後の予報円すなわち080000の予報円の半径は地図上では10mmであり、aで使った600NMの地図上での長さの約1/4であることから、予報円の半径は約150NMであることがわかります。おおよそで求めましたが、選択肢から回答を選ぶ方式ですので、150が正解です。
f これは暴風警戒域の説明です。
g eと同様にして暴風警戒域の地図上での半径は12mmであることから、12mm/41mm×600NM=174NMとなり、選択肢から175が正解です。
h 暴風警戒域は台風中心が予報円内を進んだときに、暴風域に入るおそれのある範囲です。暴風警戒域は予報円よりも、台風の暴風域半径の分広くなっています。つまり、台風の暴風域は暴風警戒域の半径と予報円の半径の差にあたります。よって175NM-150NM=25NM。
i EXTRA TROPICALというのは温帯低気圧を指します。
②正渦度極大点と台風の位置関係に関する問題です。

低気圧中心の南南東に+131×10-6sの正渦度極大点があります。

7日9時の正渦度極大点が8日9時にどの位置にあるかという問題ですが、青で示した+136と赤で示した+135のどちらかになりそうです。7日9時に台風中心の南南東側に極大点がありましたので、8日9時も台風中心の南南東にある+135の方が該当します。北緯33°東経140°となります。
③48時間後の台風の構造に関する問題ですが、このような問い方は台風の温帯低気圧化について聞いているとしか考えられません。850hPaの風と相当温位の特徴と、500hPaの高度場についての特徴に言及するように指示がありましたので考えてみます。

まず、850hPa面についてです。台風中心は風の低気圧性循環の中心となっており、そこは等相当温位線集中帯の南縁となっています。温帯低気圧化は台風中心に前線が解析されることなのでこれについて言及することになりそうです。

続いて500hPaの高度場です。温帯低気圧と高度場といえば、トラフとの位置関係になります。台風中心の西側にトラフがあります。
これら2つの要素をまとめますと、
850hPa面では等相当温位線の集中帯の南縁が風の循環中心を通り、すぐ西に500hPa面のトラフが迫り、温帯低気圧の特徴を備える。(65字)
④図6の台風予報図と図7~9の数値予報天気図の違いを示せとのことなので、台風予報図に数値予報天気図の予想を落とし込んでいきます。

まず進路に関してですが、数値予報天気図より台風予報図の方が進路を南側に予想していますので解答は、数値予報より南側の経路を予想している。(19字)となります。
つぎに盛衰ですが、中心気圧に着目すると、台風予報図の方が気圧が低く、発達する予報です。
よって、数値予報より中心気圧が深まり、より発達すると予想している。(24字)