台風情報は、防災上きわめて重要であり、その用語は厳密に定義されています。
「なんとなく風が強そう」ではなく、具体的な数値基準で区別されています。
1. 台風の定義
以下の3つの条件をすべて満たすものを「台風」と呼びます。
- 種類:熱帯低気圧であること。
- ※温帯低気圧は前線を伴いますが、熱帯低気圧は前線を伴いません。
- 場所:北西太平洋 または 南シナ海 に存在すること。
- ※東経180度より東や、インド洋にある場合は「ハリケーン」や「サイクロン」と呼ばれます(中身は同じです)。
- 風速: 低気圧域内の最大風速(10分間平均)が、およそ 17.2m/s(34ノット)以上 であること。
試験のポイント:
- 最大瞬間風速ではなく、平均風速で判断します。
- 基準を超えていれば、中心気圧が1000hPaであっても「台風」です(気圧の低さは定義に含まれません)。
2. 暴風域と強風域
台風のニュースで見る「赤色」や「黄色」の円の定義です。

強風域(黄色い円)
- 定義: 風速 15m/s 以上の風が吹いているか、吹く可能性がある範囲。
- 目安: 風に向かって歩けなくなり、転倒する人も出る。看板が飛ぶ恐れがある。
暴風域(赤い円)
- 定義: 風速 25m/s 以上の風が吹いているか、吹く可能性がある範囲。
- 目安: 走行中のトラックが横転したり、樹木が折れたりする。屋外行動は極めて危険。
予報円
- 定義: 台風の中心が、70%の確率で入ると予想される範囲。
- 注意点: 「予報円が大きくなる」=「台風が大きくなる」ではありません。「予報円が大きい」=「進路が定まらず、ブレ幅(誤差)が大きい」という意味です。
3. 台風の「強さ」と「大きさ」
台風の勢力を示す際、気象庁は「強さ」と「大きさ」の2つの尺度を使って表現します。これらは独立して評価されます。
(例:「大型で非常に強い台風」)
① 台風の強さ
中心付近の最大風速のみで決まります。中心気圧は関係ありません。
| 階級 | 最大風速 (m/s) | 最大風速 (ノット) |
| (階級なし) | 17m/s 〜 33m/s未満 | 34kt 〜 64kt未満 |
| 強い | 33m/s 以上 〜 44m/s未満 | 64kt 以上 〜 85kt未満 |
| 非常に強い | 44m/s 以上 〜 54m/s未満 | 85kt 以上 〜 105kt未満 |
| 猛烈な | 54m/s 以上 (〜 約194km/h) | 105kt 以上 |
注意:
防災上の観点から、以前使われていた「弱い」「並の強さ」という表現は廃止されました。
② 台風の大きさ
強風域(風速15m/s以上)の半径で決まります。
※形がいびつな場合は、平均的な半径を用います。
| 階級 | 強風域の半径 (km) |
| (階級なし) | 500km未満 |
| 大型(大きい) | 500km 以上 〜 800km未満 |
| 超大型(非常に大きい) | 800km 以上 |
注意:
強さの階級と同じく、「小型」「中型」という表現は廃止されました。階級なしの場合は、大きさを形容せずに呼びます。
まとめ:試験対策チェックリスト
- 台風の定義は、最大風速 約17m/s(34ノット) 以上。
- 強風域は15m/s以上、暴風域は25m/s以上。
- 「強さ」の基準は 33m/s(強い)、44m/s(非常に強い)、54m/s(猛烈な)。
- 「大きさ」の基準は 500km(大型)、800km(超大型)。
- 「弱い」「並の」「小型」「中型」という言葉は、現在の気象庁用語には存在しない(選択肢にあったら誤り)。
- 予報円の中に中心が入る確率は 70%。
学習のヒント:
実技試験では、天気図上の等圧線の間隔を見て風の強さを読み取ったり、縮尺を使って強風域の半径を測ったりする作業が求められます。「500km」という距離が天気図上でどれくらいの長さか(緯度5度分=約550km)を目安として持っておくと便利です。
