気象予報士制度は、気象庁以外の民間事業者が予報業務を行う際に、その技術水準を担保するために設けられました。
1. 気象予報士試験(第24条の2〜)
まずは試験そのものについての規定です。
1.1 受験資格と試験事務
- 受験資格:制限なし。年齢、学歴、国籍に関係なく、誰でも受験できます。
- 過去問: 「未成年者は受験できない」 $\rightarrow$ ×(受験できます)。
- 試験の実施: 気象庁長官が行いますが、実際の実務は指定試験機関(現在は「一般財団法人気象業務支援センター」)に行わせることができます。
- 合格基準: 気象予報士として必要な知識及び技能を有するかどうか。
1.2 合格の取消し(第24条の10)
不正な手段(カンニングや替え玉受験など)を使って試験を受けたり、合格しようとした場合、気象庁長官は以下の処分を行えます。
- 受験の停止: その試験を中止させる。
- 合格の無効: 合格を取り消す。
- 受験禁止期間: 2年以内の期間を定めて、次の試験を受けさせないことができる。
2. 気象予報士の登録(第24条の18〜)
ここが最重要ポイントです。「試験に合格しただけ」では気象予報士として名乗ることも、仕事をすることもできません。
2.1 登録の要件
- 試験に合格した者は、気象庁長官の登録を受けることで、初めて「気象予報士」となります。
- 登録を受けると、「気象予報士名簿」に氏名などが記載されます。
2.2 登録の拒否(欠格事由)(第24条の21)
合格しても、以下の条件(欠格事由)に当てはまる場合、登録を拒否されます。試験で「2年」という数字と「この法律(気象業務法)」という条件が頻出です。
| 拒否される理由 | 詳細 |
| 過去の取消処分 | 気象予報士の登録を取り消され、その取消しの日から2年を経過しない者。 (※本人死亡や精神障害による取消しは除く) |
| 罰則を受けた者 | この法律(気象業務法)の規定により罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から2年を経過しない者。 |
ひっかけ注意!
- 「道路交通法違反で罰金刑を受けた」 $\rightarrow$ 登録できる(気象業務法違反ではないから)。
- 「気象業務法違反で罰金刑を受け、1年が経過した」 $\rightarrow$ 登録できない(2年経っていないから)。
3. 登録事項の変更・死亡の届出(第24条の22・23)
登録後に状況が変わった場合の手続きです。「いつまでに」届け出るかが問われます。
| ケース | 届出の内容 | 期限 |
| 登録事項の変更 | 氏名や住所に変更があった場合 | 遅滞なく |
| 死亡した場合 | 相続人が届け出る | 遅滞なく |
| 欠格事由への該当 | 精神の障害等に該当するに至った場合 | 遅滞なく |
比較ポイント:
予報業務許可(会社の方)の廃止届は「30日以内」ですが、予報士個人の死亡や変更は「遅滞なく(すぐに)」です。
4. 登録の抹消(取消し)(第24条の25)
一度登録しても、特定の条件で資格を剥奪(抹消)されることがあります。
4.1 必要的抹消(必ず消される)
気象庁長官は、以下の場合、登録を取り消さなければなりません。
- 死亡したとき。
- 欠格事由(精神障害、気象業務法違反での罰金刑など)に該当するに至ったとき。
- 不正な手段で登録を受けたことが判明したとき。
4.2 裁量的抹消・業務停止(消されるかもしれない)
気象予報士が、「気象業務法」や「この法律に基づく処分」に違反した場合、以下の処分が下されることがあります。
- 登録の取消し
- 業務の停止(期間を定めて、予報士としての業務を禁じる)
5. 名称の使用制限(第24条の28)
第24条の28
気象予報士でない者は、気象予報士又はこれに紛らわしい名称を用いてはならない。
- 独占名称: 気象予報士は「名称独占資格」です。
- 資格がないのに「私は気象予報士です」と名乗ると罰則があります。
- ただし、業務独占(予報士しかやってはいけない仕事)は「予報業務許可事業における現象の予想」に限られます。
6. まとめ:試験対策チェックリスト
試験でよく問われる正誤判定のポイントです。
- 受験資格に年齢・国籍の制限はない(小学生でもOK)。
- 合格しても「登録」しないと予報士と名乗れない。
- 気象業務法以外の罪(窃盗や交通事故など)での罰金刑なら、登録は拒否されない。
- 気象業務法違反での罰金刑は、2年間登録できない。
- 住所変更や死亡の届出は「遅滞なく」。
- 不正受験は、その後「2年以内」受験禁止になることがある。
