第57回実技2 問2(1)

①初期時刻のトラフは、東経128°付近で、高度5640mから5760m付近にあることがわかります。トラフは、12時間あたり10°程度東に進むことが多いです。また高度も変わらないことが多いので、この場合ですと12時間後の予想図で、東経138°付近で5640mから5760m付近にトラフがないかをあたりをつけて見てみます。

等高度線が曲率が大きい部分にトラフが解析されるのがよくあるパターンですが、今回東経138°付近に大きな曲率はありません。しかし、東経141°~137°付近に、+105と書かれた正渦度極大点を含む、正渦度域が、5580mから5760m高さにあることがわかります。トラフは正渦度域に解析されますのでこの部分にトラフが解析できます。よって5640mの等高度線と交わる経度は140°となります。

②次はトラフと地上低気圧中心の位置関係の問題です。このタイプの問題は頻出問題です。トラフと低気圧中心の位置関係から今後の低気圧の盛衰について予想することができるため、気象予報士試験で度々出題されるのです。

地上低気圧中心を先ほど解析したトラフと重ね合わせると以上のようになります。これを見たまま答えますと、

低気圧はトラフの直下に予想されている。(17字)

低気圧が最盛期のときに、このような位置関係になるのが教科書的パターンです。