気象予報士試験は文系でも合格できる?理系が圧倒的に有利?

気象予報士試験は「理系向けの資格」というイメージを持たれることが多く、「文系でも合格できますか?」という質問もよく見かけます。

結論から言えば、文系でも十分に合格できます。

実際、合格者には文系出身の方も多く、仕事をしながら独学で合格している人も少なくありません。もちろん理系の知識があると有利な場面はありますが、それだけで合否が決まる試験ではありません。私自身は理系ですが、実際に試験を受けてみて、理系特有の高度な計算は出ていないように思います。

理系が有利と言われる理由

理系出身者が有利と言われる一番の理由は、学科試験の一般知識にあります。

大気の熱力学や流体力学では、高校物理や高校数学で学ぶ内容が登場します。

例えば、

  • 気体の状態方程式
  • 断熱変化
  • ベクトル
  • グラフの読み取り

といった内容は、理系の人であれば一度は勉強したことがあるでしょう。

そのため、「初めて見る内容」が少なく、理解が早い傾向があります。

例えば、気体が断熱膨張するときには温度が下がりますが、これも気体の状態方程式で表すことができます。

これは理系であれば何度も触れているので、理解が早いと思います。

文系だから不利とは限らない

一方で、気象予報士試験は大学入試のように高度な数学を解く試験ではありません。

実際に試験で使う計算も、それほど複雑ではありません。

必要なのは公式を導くことではなく、

「この状況ではなぜこうなるのか」

という気象現象の仕組みを理解することです。

高校で物理を履修していなくても、一つひとつ理解していけば十分対応できます。

前述した気体の断熱膨張について、初見であっても、内容自体は難しいものではありません。極端な話、そういうものだと覚えてしまってもなんとかなると思います。

特に実技試験は文系有利な点も多い

実技試験になると、理系・文系の差はさらに小さくなります。むしろ文系有利とも言えます。

実技試験で重要なのは、

  • 天気図を読む
  • 衛星画像を読む
  • レーダー画像を読む
  • 資料から必要な情報を探す
  • 聞かれたことに答える

といった力です。

特に論述問題では、資料を正確に読み取り、限られた字数で説明する力が求められます。

資料の読み取り自体は文系も理系も大きな差はありません。

聞かれたことを過不足なく、指定された字数にまとめる力が必要となる試験です。

文章を書くことに慣れている人であれば、むしろ文系のほうが得意に感じる問題もあります。

暗記が得意なら専門知識は得点源になる

学科試験の専門知識は、観測や数値予報、気象衛星、警報・注意報など、暗記中心の分野が多くあります。

もちろん理解も必要ですが、気象の観測方法、予報の発表時刻、災害や警報の知識など、覚えれば確実に得点できる問題も少なくありません。

暗記が得意な人にとっては、一般知識よりも点数を取りやすい科目だと思います。

一般知識でも法規の分野が必ず出題されるので、これも文系有利な点であると思います。

文系だから苦労したこと

私が勉強していて最も苦労したのは、熱力学や大気力学の分野でした。

最初は参考書を読んでも何を説明しているのか分からず、温位や断熱減率といった言葉だけが増えていく感覚でした。

しかし、過去問を解きながら参考書を読み返すことを繰り返すうちに、少しずつ理解できるようになりました。

最初からすべて理解しようとするよりも、「過去問で出てきた内容を調べる」という勉強法のほうが、自分には合っていたように思います。

理系の場合は?

私自身は理系なので、気体の状態方程式やベクトルの力の釣り合いなどの理屈の理解は早かったと思います。また、理系ならできるだろうという先入観により、苦手意識を持たなかったことも良かったと思います。

ですが、試験では難しい計算問題はほとんど出題されませんし、気象予報についての新しく知る知識のほうが圧倒的に多かったので、ひとつひとつ覚えました。

また、実技試験は、短い時間内に読み取りや作図行う技術が必要であり、文理関係ないように思いました。特に、記述問題で、聞かれたことを過不足なくまとめるのは、理系の私には苦労し、自分の回答と模範解答がぜんぜん違うということはよくありました。

まとめ

気象予報士試験は理系出身者がやや有利なのは事実ですが、それはスタートラインの話です。

試験勉強を始めてしまえば、過去問を繰り返し解き、気象現象を一つずつ理解していくことが合格への近道になります。

実際に文系出身の合格者も数多くいますし、社会人になってから独学で合格している方も珍しくありません。私も学生時代の知識はほとんど忘れてからのスタートでした。

「文系だから無理」と考える必要はありません。むしろ、文章読解や暗記が得意という強みを生かせる場面も多い試験です。

これから受験を考えている方は、出身学部よりも「継続して勉強できるかどうか」を意識して取り組んでみてください。気象予報士試験は、一歩ずつ積み重ねた人が合格できる試験です。