(1) エコー域と気温分布

まず、地上気圧の分布の特徴です。図9に、問4で解析した1000hPa等圧線も含めて、図11のエコーと重ね合わせてみます。陸上のエコーの付近(愛知県や静岡県付近)は、さらに1002hPaの等圧線が北側に凸となっていて、1002hPaより高いことから、相対的に気圧の高い部分であると言えます。よって、
陸上のエコー域付近は、相対的な高圧部となっている。(25字)
次に、850hPaの気温の分布の特徴です。

陸上のエコー域は10℃と11℃の等温線が北に凸になった尾根の位置にあることがわかりますので、解答は下記のようになります。
陸上のエコー域は、相対的な高温域となっている。(25字)
(2) エコー域の移動
① エコー域の移動の速さ
①エコーは18時40分に御前崎に到達したと条件にありますので、下記のような位置関係となります。

エコーは40分間で地図上で24mm移動したことがわかりますので、北緯34°から35°の1°分である111kmが、地図上で60mmであることを利用します。実際のエコーの40分間の移動距離は、
111km×24mm/60mm=44kmです。
1時間ではこの1.5倍移動するので、時速は66km/hとなり、10km/h刻みでは、70km/hとなります。
② エコー域の位置

エコーの幅を測ると、地図上で6mmです。このエコーは①のとおり、40分間で24mm移動するので、エコーの東端が御前崎に達して、エコーの幅分移動して通過するのは、10分間とわかります。
(3) 御前崎の気象状況

① 突風率
突風率は、最大瞬間風速/平均風速で求められます。これが一番大きくなるのは、18時40分で、その時の突風率は11/23=2.09となり、0.1刻みでは2.1となります。
② エコー域と気温及び気圧変化
エコー域は、(2)より18時40分に御前崎に到達しています。
気温についてです。この18時40分に10分間で4℃近く急下降しています。さらに問題文では20時までの変化の特徴を述べるように指示がありますので、そこまで見ていくと、そのまま低い気温が持続し、19時30分頃から再び上昇しています。よって、気温については
エコー域が到達すると急下降し、しばらく低い状態が続いた後に上昇した。(34字)
次に気圧についてです。こちらもエコー域が到達した18時40分の前10分間で3hPa程度の急な気圧上昇が特徴的です。その後は18時50分に気圧のピークを迎えたあとは、徐々に降下し、19時40分頃には、上昇する前の気圧に戻っています。よって、
エコー域が到達すると急上昇したが、その後は下降しほぼ上昇前の値に戻った。(36字)
(4) エコー域の成因
(3)より、エコー通過時には、気温が大きく下がり気圧が大きく上昇していたことがわかりました。これは降水粒子の蒸発や昇華による空気の冷却により、気温が低下し、その影響で空気が重くなったことで地上の気圧が高くなったことによるものです。このような特徴をもつことから、選択肢のなかでは対流性のエコー域であるスコールラインが妥当です。
寒冷前線は気圧の谷となるため、通過時の気圧は下がり、通過後は気温が下がることが一般的ですので、通過時の気圧が上昇し、通過後には再び気温が上昇した今回のエコー域とは異なります。
線状降水帯は、積乱雲が繰り返し発生し、エコー域が観測点に留まり、なかなか通過しないので、今回とは異なります。
海風前線は、比較的温度が低い海風が、温かい陸地に吹き込むときに沿岸にできる前線です。今回のエコーは会場を東方向に移動しているため、当てはまりません。
ブライトバンドは、上空から降ってくる雪片が、途中で融解し始め、液体で覆われると、雨粒より大きな雪片が反射率の高い液体で覆われた状態となるため、観測される強いエコーです。今回の強雨域とは関係ありません。
(5) 大気現象と災害

問3(1)より、雲底高度は960hPa付近で、雲頂高度は450hPaです。大気の非常に低い位置から雲が発生し、対流によって高い位置まで雲が成長することを示しています。雲頂高度は-24℃と非常に低いです。
このような積乱雲で発生する大気現象は、以下の通りです。
雷、突風(竜巻、ダウンバースト、ガストフロント、ダウンバースト)、降ひょう










