引用元:気象業務支援センター
(1) トラフと低気圧
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① トラフの位置解析
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上の図から、1日21時のトラフは高度5700m付近を中心に東経122°付近にあります。

その12時間後、2日9時には、等高度線の曲率が高い部分や、渦度の極大点+202,+211を考慮して上の図のようにトラフを解析することができます。なお、トラフの南縁は、強風軸である渦度0ライン付近となります。
そして、解答となる2日21時のトラフの位置は、この速度であれば大体東経135°付近となりそうです。

等高度線の曲率が大きい部分については、不明瞭ながらも、北緯40°、東経138°付近の+244と書かれた渦度の極大点から、南西方向に正渦度の尾根が伸びていますのでそこにトラフを解析することができます。これが解答となります。
なお、模範解答のトラフを解析位置は、渦度の極大から少しずれた位置に解析されています。これについては理由はわかりませんが、おそらく私の解答でも満点がもらえる許容範囲と考えます。
② 低気圧の位置解析
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①にて解析した12時間後の500hPaトラフの位置を地上天気図に落とし込みました。トラフは地上低気圧のすぐ西に位置して結びついており、低気圧の発達を示唆しています。

解答となる低気圧は日本海北部の低気圧です。①で解析した結果を地上天気図に落とし込むと、トラフは低気圧のほぼ真上に来ています。よって答えは北緯42°、東経138°となります。
では、なぜ三陸沿岸にある低気圧ではないのでしょうか?
低気圧とトラフを結ぶ軸は、低気圧発達期には西に傾いていますが、全盛期には直立し、衰退期には東に傾くというプロセスをたどります。
三陸沿岸の低気圧が、2日9時に日本海北部にあった低気圧だとすると、2日21時にはトラフと低気圧の距離が離れてしまっています。これでは、低気圧とトラフを結ぶ軸が西向きから直立するという流れに反することになりますので不適当です。
(2) 停滞前線
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① 停滞前線の位置解析
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問1(3)①では850hPa面の前線と最も対応のよい等相当温位線は339Kの等相当温位線でした。よって12時間後と24時間後の339Kの線をなぞると上の図のようになります。
よって解答は
12時間後 東経133° 北緯37° 東経138° 北緯36°
24時間後 東経133° 北緯34° 東経138° 北緯37°
② 前線の盛衰要因
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非常に長い文章を解答することになるので、何を聞かれているのか?条件は何か?を整理します。
まずは、何を聞かれているのかですが、12時間後から24時間後の前線が強化するのか弱化するのかです。どちらかですが、気象条件を見てみないとわかりません。
そこで、条件としてあげられている850hPa面の風の分布や相当温位の分布に着目します。

まず850hPaの風の分布ですが、風向については12時間後では前線の付近で西よりの風が卓越していますが、24時間後には、前線の北側で北西の風、南側で南の風となり、前線付近での収束が強まる予想です。なお、北側では風速も強まる予想です。
次に相当温位の分布ですが、12時間後よりも24時間後のほうが明らかに等相当温位線の間隔が小さくなり、相当温位の傾きが大きいと言えます。
これらを踏まえるとこの前線は12時間後から24時間後にかけて強化されるといえます。
よって、上記をまとめると、
12時間後から24時間後にかけて850hPa面の前線付近では北(または西)よりの風と南よりの風のシアー(収束、変形場)が強まり、相当温位の傾きは大きくなり、前線は強化される。(73字)
(3) 大雨の原因
引用元:気象業務支援センター 引用元:気象業務支援センター
問題の12時間降水量は1日21時~2日9時にかけての降水量です。それぞれの要因について見てみます。
まずアの台風のアウターバンドについてです。

アウターバンドは台風中心から約200km~600km付近離れたところに螺旋状に広がる積乱雲の列です。
上の図では2日9時ごろには、台風中心が四国から600kmぐらいのところにあり、アウターバンドの領域に入る可能性がある状況です。
2日9時にやっとアウターバンドに入るか入らないかなので、1日21時~2日9時の12時間降水量にはほとんど影響がないものと考えられます。
もちろん、より台風から遠い山陰沖の降水量にも影響はないので、四国も山陰沖も台風のアウターバンドは関係ありません。
イの南または西よりの下層風による暖湿気の流入についてです。
上の相当温位の図のとおり、四国も山陰沖も南または西よりの風向が予想されており、それぞれ相当温位の高い方から吹いているので、イは四国にも山陰沖にも当てはまります。
ウの上層寒気流入による成層の不安定化についてはどうでしょうか?上層に寒気が流入すれば確かに成層が不安定となり、大雨の原因となります。

上の500hPaの図では、等温線が点線で表されています。日本付近の等温線は緯線とほぼ平行で、高緯度ほど温度が低くなっています。特に日本上空に寒気が入っている様子は見られません。
もし寒気が入っていれば、北側の等温線が南に張り出すような形状となります。
よって、ウは四国も山陰沖も当てはまりません。
エの前線面による上昇流の発生についてです。
(2)で解析した前線の位置をもとに考察します。

問題となっている降水量の対象期間は1日21時から2日9時です。上の図から、2日9時頃、山陰沖のすぐ北側に、850hPa面の前線が位置しています。
前線は上方に向かって寒気側(北側)に傾くので、地上ではもう少し山陰沖の降水量極大点付近となります。
よって山陰沖では、前線面の上昇流が影響していると考えられます。
一方で、四国沖については、前線が近づくのは2日21時ごろなので、問題となっている1日21時から2日9時の降水量には影響しません。
オの地形(斜面)による上昇流発生についてです。
山陰沖は海上なので地形の影響はありませんが、四国はどうでしょうか?

これまで見てきた通り、四国には南よりの高相当温位の風が吹く予想です。地形図に合わせると上の図の通りです。
高相当温位の南よりの風が四国の山地の南側の斜面に吹き付ける形となり、高相当温位の上昇流を発生させ大雨の原因となります。
よって、解答は、山陰沖:イ、エ 四国:イ、オ
(4) 三陸沿岸の低気圧
引用元:気象業務支援センター
① 低気圧と上昇流
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2日21時の三陸沿岸の低気圧は下の図の位置です。


2日21時には上昇流の極大点である-33と書かれた位置と対応しますので、2日9時についても上昇流の極大点である-85と書かれたところが低気圧の中心と考えられます。

-69と書かれた上昇流の極大点もありますが、上の2日9時の地上天気図を見ると等圧線の形状から低圧部となっていないので不適当です。
よって2日9時の低気圧中心の位置は、北緯37°、東経134°です。
② 前線の解析
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等相当温位線の南縁付近をなぞると下記のようになります。

また、上で解析した前線は下の図の通り、上昇流域とよく対応しています。

これを地上天気図の気圧の谷を通すように微修正すると下記の通り解析できます。

(5) 暖湿空気の流入
引用元:気象業務支援センター
こちらも何を聞かれているのか?その条件は何か?を整理してから解答をつくります。
聞かれていること、は高相当温位域が台風の北東方向に細長く分布するような変化をした理由です。
条件に関しては、トラフA、前線、低気圧の推移を(1)(2)(4)の解答をもとに言及し、それに関連した風の強さや分布について言及します。
まずトラフAについてです。トラフAは(1)より、東進して日本付近に近づき、2日21時には日本海付近に達しています。
前線については、(2)より、2日21時には前線が強まっていることがわかります。
低気圧については、(4)より北緯37°、東経134°付近に新たに発生していることがわかります。(2)とあわせて考えると前線上に新たに低気圧が発生しています。
それに対応した風の変化としては、トラフの接近や前線上での新たな低気圧の発生を踏まえて考えると、風が強くなると思われます。
実際に下の図をみると、1日21時と2日9時を比較すると、前線の南側である、日本の南から関東付近にかけて南西の風の風速が大きくなっていることがわかります。


この風が、高相当温位域の空気塊を北東側に運び、高相当温位域が引き伸ばされると言えます。
流れとしては、トラフA接近→前線上に新たな低気圧→気圧傾度力大きくなる→南西風強くなる→高相当温位の空気が北東側に流入となりますので、これをまとめて解答をつくります。
トラフAの接近に伴い、前線上に低気圧が発生・発達し、(気圧傾度が増すことにより)前線の南側で南西風が強まり、(北上する)台風周辺の暖室な空気が北東方向に運ばれるため。(63字)













