引用元:気象業務支援センター
(1) 降水帯の移動速度
引用元:気象業務支援センター

問題となっている浜松付近を通過する線状の降水帯とは、赤で囲んでいる降水帯となります。13時には青で囲んでいる強雨域が線状の降水帯の東に少し離れた静岡付近に広がっています。
14時には線状の降水帯が東進し、静岡付近の強雨域に近づくので線状の降水帯の東端が非常に分かりづらいですが、東経137.8°付近が線状の降水帯の東端と私は考えます。
15時には、静岡付近にあった強雨域はなくなっており、20mm/h以上の降水域の東端を線状の降水帯の東端とすると、これは東経138.4°付近と考えます。
北緯1°の実際の距離はどこをとっても約111kmです。北緯35°から36°の地図上の距離が32mmであるので、この比を使って、14時から15時の線状の降水帯の東端の移動距離を求めます。
14時から15時に線状の降水帯は、地図上で15mm動いている(東に進む速さを求めるので東成分のみの距離)ので、実際の移動距離は
111km×15mm/32mm≒52kmとなります。
これが14時から15時の移動距離なので、東に進む速さは52km/hとなり、5km/h刻みでは50km/hとなります。
特にどこを線状降水帯の東端と解析するかで、解答に影響がでるので、模範解答では、±5km/hの誤差が許容されています。
(2) 等温線の作図
引用元:気象業務支援センター
21℃の等温線は、下の図の緑線のように作図することができます。
21℃より高い観測点や等温線を赤、低いところを青でマークしています。
21℃の等温線は赤い部分と青い部分を必ず1回通るように作図し、赤い部分同士や青い部分同士の間を通さないように作図します。どうしても通る場合は2回通るようにしてください。

なお、観測点は数字の中心ではなく、数字のとなりにある風の矢羽の根本の点なので注意してください。
(3) シアーラインの気温と風の分布
引用元:気象業務支援センター
シアーラインの北西側と南東側の気温と風についてそれぞれ比較します。

まず気温については、シアーラインの北西側ではおおよそ20℃~22℃程度で、南東側は22℃~24℃程度であり、北西側よりも南東側の方が温度が高いです。
気温の分布の特徴を聞かれているので温度傾度についても見ていくと、シアーラインの北西側は等温線が複数かかれており、温度傾度が大きいと言えます。
上記をまとめて気温について解答を作成すると下記のようになります。
シアーラインの南東側は相対的に高温で、北西側は低温で温度傾度がやや大きい。(37字)
風についてです。風の対比については風向と風速という要素があります。
風向はシアーラインの北西側では、北西側では西~北西の風、南東側では南~南西の風が卓越しており、シアーラインの付近で収束しています。
風速については、南東側では10m/sを超える風が吹いており、北西側よりも大きいです。
風の分布の特徴についてはこれらをまとめると下記のようになります。
シアーラインの南東側は南よりの風が相対的に強く、北西側は西よりの風が弱く、シアーライン付近で風が収束している。(55字)
(4) 高層風時系列図の解析
引用元:気象業務支援センター
① シアーラインの通過時刻
引用元:気象業務支援センター

13時~16時の最下層の矢羽を赤で囲みました。(3)より、シアーラインの南東側では南よりの風、北西側では西よりの風が卓越していることがわかっています。
また(1)より、この時間のシアーラインに対応した線状の降水帯は東方向に移動していることがわかっているので、それぞれの地点で相対的にシアーラインの南東側から北西側の位置に変わります。
よって、風向きはシアーラインの通過に伴い、南よりから西よりに変化すると言えます。
まず名古屋については、13時00分に南よりの風ですが、13時20分~15時00分は西~北西の風となっています。その後15時20分以降南よりの風となっています。
このうち、問題文の指示通り、シアーラインの通過が推定できる最初の時刻を解答としますので、名古屋をシアーラインが通過した時刻は13時20分です。
静岡も同様に考えます。15時20分まで南よりの風ですが、15時40分以降は西よりに変わっているので、静岡をシアーラインが通過した時刻は15時40分です。
② 移流と風の鉛直分布
引用元:気象業務支援センター

13時以降の高度1.5kmまでの矢羽を赤で囲みました。
風の鉛直分布と移流の関係についての問題なので、風向が上方に向かってどちら向きに変化しているかを確認します。
寒気移流であれば風向は上方に向かって反時計回りに変化します。(暖気移流であれば時計回り)
それぞれ、風向が上方に向かって反時計回りの変化となっている部分を青でマークしました。
この部分が風の鉛直分布から寒気移流と判断できる時間帯です。
矢羽を全体が入るように塗りつぶしているので矢羽の根本の部分の時間を読み取ります。
よって、名古屋は13時20分~15時00分、静岡は17時00分~19時40分です。
(5) 前線とシアーラインの通過
引用元:気象業務支援センター
この問題については、①と②について並行して考えていきます。
問題に示されている4回の風と気温の不連な変化について、下記の図に丸で示しています。

(4)①より、名古屋のシアーラインの通過が13時20分、静岡が15時40分なので、名古屋と静岡の間にある浜松ではこの間にシアーラインが通過したと推測できます。
浜松では、15時00分に風向が南よりから西よりに変わり、気温が下がっているので、シアーラインが通過し、南東側の領域から北西側の領域に入ったものと考えます。
その後、次の不連続変化である19時00分~10分頃にに風向が西よりから南よりに変わり、気温が上がっていますので、今度は逆方向にシアーラインが通過し、シアーラインの北西側の領域から南東側の領域に入ったものと推測できます。
これを踏まえて①を考えます。
総観スケールの前線の通過は、残りの変化点から、1回目は7時20分、2回目は21時30分ということになります。
種類については、気温が上がっているので前者は温暖前線、後者は寒冷前線です。
なお、7時20分の前線については、前日の21時00分にこの付近の停滞前線が通過したとするほうが適切な可能性もあるため、停滞前線が主たる解答となっており、別解で温暖前線となっています。
21時30分の前線は問2(4)②で作図した通り、明らかに寒冷前線が適切です。

①の答えをまとめると、1回目は停滞前線(温暖前線)で通過時刻は7時20分、2回目は寒冷前線で通過時刻は21時30分です。
②のシアーラインや降水帯の通過時刻については上述の通り、1回目は15時00分、2回目は19時00分です。なお、2回目は風の変化に注目すると19時00分ですが、気温の変化に注目すると19時10分なので別解として認められています。
(6) シアーラインの構造

①シアーラインの付近で西よりの風と南よりの風が収束しています。
②③

寒気と暖気が接すると重い寒気の上に暖気が乗り上げます。北西側の寒気の上に暖気が乗り上げるのですが、これを文脈に合うようにすると北西側の冷気プールの上にとなります。
④暖気が乗り上げるので上昇流が発生します。
⑤

温暖前線と寒冷前線の間は暖域といいます。
(7) 新たな防災気象情報
引用元:気象業務支援センター
①

1時間降水量の最大値は赤で塗りつぶした時間帯の10分間降水量6本分の合計値です。よって10.0mm+4.0mm+8.0mm+12.5mm+8.0mm+5.5mm=48.0mmとなりますので、選択肢のとおり48となります。
②30mm/h以上50mm/h未満の雨は激しい雨といいます。
③この問題からは令和8年に運用が開始された新たな防災気象情報に関してです。

高齢者など避難に時間を要する人はレベル3での避難が必要です。
④レベル3は警報です。
⑤レベル4までに危険な場所から全員の避難が必要です。
⑥レベル4は危険警報です。










