9-3 特別警報

「特別警報」は、通常の警報の発表基準をはるかに超える、数十年に一度のこれまでに経験したことのないような異常な現象が予想される場合に発表されます。

平成23年(2011年)の東日本大震災や紀伊半島大水害などの甚大な災害を教訓として、平成25年(2013年)8月から運用が開始されました。発表された時点で、お住まいの地域は「すでに重大な災害が発生している可能性が極めて高い、命に危険が迫っている状況(警戒レベル5相当)」にあります。

1. 特別警報の種類

気象庁が発表する特別警報のうち、気象に関するものは以下の6種類です。特に大雨特別警報は、どのような災害リスクが高まっているかを括弧書きで明示して発表されます。

名称内容(予想される現象と災害)
大雨特別警報台風や集中豪雨により、数十年に一度の降雨量となる大雨が予想される場合。
※「大雨特別警報(土砂災害)」「大雨特別警報(浸水害)」などと明記されます。
暴風特別警報数十年に一度の強度の台風や、同程度の温帯低気圧により暴風が吹くと予想される場合。
高潮特別警報数十年に一度の強度の台風や、同程度の温帯低気圧により異常な高潮になると予想される場合。
波浪特別警報数十年に一度の強度の台風や、同程度の温帯低気圧により極めて高い波になると予想される場合。
大雪特別警報数十年に一度の降雪量となる大雪が予想される場合。
暴風雪特別警報数十年に一度の強度の台風と同程度の温帯低気圧により、雪を伴う猛烈な暴風が吹くと予想される場合。

※地震・津波・火山に関する特別警報

気象現象以外についても、既存の警報の最高レベルのものを特別警報として位置づけています。名称は従来のまま変更されていません。

  • 地震: 震度6弱以上の緊急地震速報
  • 津波: 大津波警報
  • 火山: 噴火警報(居住地域)(※噴火警戒レベル4または5)

2. 特別警報の発表基準

特別警報は「数十年に一度」という抽象的な表現だけでなく、過去の甚大な災害事例(伊勢湾台風など)に基づいた明確な数値基準(客観的指標)が設定されています。実技試験でもこの具体的な数値が問われます。

対象とする現象発表の目安具体的な基準
大雨数十年に一度の降雨量となる大雨過去に多大な被害をもたらした現象に相当する「土壌雨量指数」「表面雨量指数」「流域雨量指数」の基準値を地域ごとに定め、基準値以上となる1km格子が、広範囲にまとまって出現し、さらに激しい雨が降り続くと予想される場合。
暴風
高潮
波浪
数十年に一度の強度の台風や
同程度の温帯低気圧による防風、高潮、波浪
中心気圧が930hPa以下、または最大風速が50m/s以上の台風や温帯低気圧が来襲する場合。
※ただし、台風が頻繁に接近する沖縄地方、奄美地方、小笠原諸島については基準が厳しく、中心気圧910hPa以下、または最大風速60m/s以上と規定されています。
大雪数十年に一度の降雪量となる大雪府県程度の広がりをもって50年に一度の積雪深となり、かつ、その後も警報級の降雪が丸一日程度以上続くと予想される場合。
暴風雪数十年に一度の台風と同程度の温帯低気圧による雪を伴う暴風上記の暴風特別警報の基準を満たす「温帯低気圧」により、雪を伴う暴風が予想される場合。

まとめ

特別警報が発表されてから避難を始めるのでは、手遅れになるケースがほとんどです。特別警報の発表を待つことなく、注意報や警報、雨雲レーダーの推移などを総合的に判断し、早めの避難行動が求められます。