第60回実技2 問2(2)

温帯低気圧化の特徴が前問のどれにあたるかという問題ですので、(1)で答えたそれぞれの特徴について振り返ります。

a: 12時間後から36時間後にかけて、台風の気圧変化がない。

温帯低気圧になることで気圧の変化が止まるわけではないのでこれは、温帯低気圧化と関係ありません。


b: 12時間後から36時間後にかけて700hPa面で南西側で乾燥域が広がり、北東側では湿潤域が広がる。

低気圧の進行方向の前面で暖気滑昇による湿潤域の拡大と後面からの寒気の回り込みによる乾燥行き拡大は、温帯低気圧の特徴です。


c: 12時間後から36時間後にかけての850hPa面の高相当温位域の形状が、楕円形から円形に変化している。

温帯低気圧化が進むと低気圧の構造は円形から非対称に変化するので、温帯低気圧化とはむしろ反対の特徴です。


e: 850hPa面の相当温位の極大と地上の台風中心とがほぼ同じ位置である。

台風は中心付近に暖気核をもつという特徴があるので、これは台風の特徴です。温帯低気圧化と関係ありません。


f: 地上の台風中心のわずか南西に500hPaの気温の極大があり、この付近から外側へかけての温度傾度は小さい

台風の特徴である暖気核があり、温帯低気圧の特徴である温度傾度が小さいので、温帯低気圧化と関係ありません。

よって答えはbです。