1-3 国際天気記号:現在天気記号や過去天気記号について解説

気象予報士試験の実技試験では、地上天気図や高層天気図、気象衛星画像など、さまざまな気象資料を読み取ります。特に問1では国際天気記号についての問題が頻出です。

また、国際式天気記号の意味を知らないと、気象資料から必要な情報を正確に読み取ることができません。

この記事では、国際式天気記号の読み方をまとめます。

1. 国際式天気記号とは?

国際式天気記号は、世界気象機関(WMO)の国際的な取り決めに基づいて、気象観測の結果を記録・通報するために使われる記号です。

アジア太平洋域の実況天気図では、各観測地点の天気、雲量、風向・風速、気温などの観測値が、決められた配置と記号によって表されています。

観測地点ごとの情報を読み取れるようになると、気圧配置だけでなく、実際の地上の気象状態も把握しやすくなります。

2. 国際天気記号の配置

国際式天気記号では、観測地点を中心として、周囲にさまざまな観測値や記号を配置します。

観測地点での観測値は次のとおりに表されます。

引用元:気象庁HPを改編

実際の例としては下記のように、観測値などが数字や記号で表されます。

上記の例をもとにそれぞれの要素について説明していきます。

3. 全雲量の記号

全雲量とは、観測地点から見た空全体に対して、雲が占める割合のことです。

日本式では雲量を、空全体の何割程度が雲に覆われているかを0~10の10分雲量で示します。

一方で、国際式天気記号では、雲量を0~8の8分雲量で表します。雲量8は全天が雲に覆われている状態、雲量0は雲がない状態に相当します。下記に、8分雲量の記号と10分雲量への換算値を示します。

0+は10分雲量で0ながらも少し雲がある状態、10-は雲量10であるが、少し隙間がある状態です。つまり、8分雲量の0は雲が全く無い状態、8は雲が空全体を完全に覆っている場合を指します。

降水がない場合は、8分雲量0と1が快晴、2~6が晴れ、7と8が曇りに対応します。

また、下記のような天空不明の記号もあります。

冒頭の例では、雲量8を示しています。

4. 高度別の雲の種類と量

観測された雲の種類を下記のように表しています。

引用元:気象庁HP

例では、積乱雲が該当します。また、右側の8は下層雲もしくは中層雲の8分雲量を表しています。この場合は、下層雲の積乱雲の雲量が8で、空全体を積乱雲が覆っていることを示しています。

5. 風向・風速の記号

風向・風速は、観測地点から伸びる風向矢羽根で表します。

風向は風が吹いてくる方向を36方位で示します。気象予報士試験では基本的に16方位で読み取ります。

例えば、上の図では南東(右下)方向に矢羽が伸びているため、南東から吹いてくる風を表します。

風速は、矢羽根の短線・長線・旗の組み合わせで表します。

記号の構成表す風速
短い線1本5ノット
長い線1本10ノット
旗1つ50ノット

例えば、上の図であれば、長い線が3本なので、30ノットです。

また、長い線が2本と短い線が1本なら、風速は25ノットです。

10 × 2 + 5 = 25ノット

となります。

また2捨3入の5ノット刻みの表し方なので、例えば観測値が22ノットであれば20ノット、23ノットであれば25ノットと表記されます。

6. 現在天気記号

天気記号は、観測時の天気や大気現象を表します。雨、雪、霧、雷などの現象は、決められた記号や番号で表現されます。

引用元:気象庁HP

WW=00〜19:雲の変化・視程障害など

WW(十の位が行、一の位が列)解説
00前1時間内の雲の変化が不明(天気図記載なし)
01雲が消散、または発達が鈍っている(天気図記載なし)
02空模様全般に変化がない(天気図記載なし)
03雲が発生、または発達している(天気図記載なし)
04煙(視程10km未満)
05煙霧(視程10km未満)
06ちり・黄砂などが広く浮遊している(ちり煙霧)
07風でちりや砂が巻き上げられている
08発達したじん旋風が観測されたが、砂じんあらしはない
09砂じんあらしがある、または前1時間内にあった
10もや(視程10km未満)
11地霧・低い氷霧が散在している
12地霧・低い氷霧が連続している
13電光は見えるが、雷鳴は聞こえない
14降水が見えるが、地面・海面に達していない
15降水が地面・海面に達しているが、観測所から5km以上離れている
16降水が地面・海面に達しており、観測所から5km未満の範囲にあるが、観測所にはない
17雷電があるが、観測時に降水はない
18スコールが観測時または前1時間内にあった
19たつまきが観測時または前1時間内にあった

WW=20〜29:前1時間内にあった現象

観測時には、該当する降水・霧・氷霧・雷電がない場合に使います。

WW解説
20霧雨または霧雪があった(しゅう雨性ではない)
21雨があった(しゅう雨性ではない)
22雪があった(しゅう雨性ではない)
23みぞれまたは凍雨があった
24着氷性の雨または着氷性の霧雨があった
25しゅう雨があった
26しゅう雪またはしゅう雨性のみぞれがあった
27ひょう・氷あられ・雪あられなどがあった
28霧または氷霧があった
29雷電があった(降水を伴ってもよい)

WW=30〜39:砂じんあらし・地ふぶき

WW解説
30弱〜並の砂じんあらし。前1時間内に薄くなった(視程500m以上)
31弱〜並の砂じんあらし。前1時間内に変化なし(視程500m以上)
32弱〜並の砂じんあらし。前1時間内に始まった、または濃くなった(視程500m以上)
33強い砂じんあらし。前1時間内に薄くなった(視程500m未満)
34強い砂じんあらし。前1時間内に変化なし(視程500m未満)
35強い砂じんあらし。前1時間内に始まった、または濃くなった(視程500m未満)
36弱〜並の地ふぶき。見かけの視程500m以上で、目の高さより低い
37強い地ふぶき。見かけの視程500m未満で、目の高さより低い
38弱〜並の地ふぶき。視程500m以上で、目の高さより高い
39強い地ふぶき。視程500m未満で、目の高さより高い

WW=40〜49:霧・氷霧

WW解説
40離れた場所に霧・氷霧がある。前1時間内に観測所では見られず、観測者より高い所まで広がっている
41霧または氷霧が散在している
42霧・氷霧があり、空を透視できる。前1時間内に薄くなった
43霧・氷霧があり、空を透視できない。前1時間内に薄くなった
44霧・氷霧があり、空を透視できる。前1時間内に変化なし
45霧・氷霧があり、空を透視できない。前1時間内に変化なし
46霧・氷霧があり、空を透視できる。前1時間内に始まった、または濃くなった
47霧・氷霧があり、空を透視できない。前1時間内に始まった、または濃くなった
48霧があり、霧氷が発生中。空を透視できる
49霧があり、霧氷が発生中。空を透視できない

WW=50〜59:霧雨

WW解説
50弱い霧雨。前1時間内に止み間があった
51弱い霧雨。前1時間内に止み間がなかった
52並の霧雨。前1時間内に止み間があった
53並の霧雨。前1時間内に止み間がなかった
54強い霧雨。前1時間内に止み間があった
55強い霧雨。前1時間内に止み間がなかった
56弱い着氷性の霧雨
57並または強い着氷性の霧雨
58弱い霧雨と雨
59並または強い霧雨と雨

WW=60〜69:雨・着氷性の雨・みぞれ

WW解説
60弱い雨。前1時間内に止み間があった
61弱い雨。前1時間内に止み間がなかった
62並の雨。前1時間内に止み間があった
63並の雨。前1時間内に止み間がなかった
64強い雨。前1時間内に止み間があった
65強い雨。前1時間内に止み間がなかった
66弱い着氷性の雨
67並または強い着氷性の雨
68弱いみぞれ、または霧雨と雪
69並または強いみぞれ、または霧雨と雪

WW=70〜79:雪などの固体降水

WW解説
70弱い雪。前1時間内に止み間があった
71弱い雪。前1時間内に止み間がなかった
72並の雪。前1時間内に止み間があった
73並の雪。前1時間内に止み間がなかった
74強い雪。前1時間内に止み間があった
75強い雪。前1時間内に止み間がなかった
76細氷(ダイヤモンドダスト)。霧を伴ってもよい
77霧雪。霧を伴ってもよい
78単独結晶の雪。霧を伴ってもよい
79凍雨

WW=80〜89:しゅう雨性の降水・あられ・ひょう

WW解説
80弱いしゅう雨
81並または強いしゅう雨
82激しいしゅう雨
83弱いしゅう雨性のみぞれ
84並または強いしゅう雨性のみぞれ
85弱いしゅう雪
86並または強いしゅう雪
87弱い雪あられまたは氷あられ。雨・みぞれを伴ってもよい
88並または強い雪あられ・氷あられ。雨・みぞれを伴ってもよい
89弱いひょう。雨・みぞれを伴ってもよい。雷鳴なし

WW=90〜99:ひょう・雷電を伴う現象

WW解説
90並または強いひょう。雨・みぞれを伴ってもよい。雷鳴なし
91弱い雨。前1時間内に雷電があったが、観測時にはない
92並または強い雨。前1時間内に雷電があったが、観測時にはない
93弱い雪・みぞれ・雪あられ・氷あられ・ひょう。前1時間内に雷電があったが、観測時にはない
94並または強い雪・みぞれ・雪あられ・氷あられ・ひょう。前1時間内に雷電があったが、観測時にはない
95弱〜並の雷電。雨・雪・みぞれを伴うが、ひょう・氷あられ・雪あられは伴わない
96弱〜並の雷電。ひょう・氷あられ・雪あられを伴う
97強い雷電。雨・雪・みぞれを伴うが、ひょう・氷あられ・雪あられは伴わない
98雷電を伴う砂じんあらし
99強い雷電。ひょう・氷あられ・雪あられを伴う

国際式天気記号では、天気の種類だけでなく、降水の強さや現象の状態などを区別する形式もあります。

上の図の例の現在天気は81の「並または強いしゅう雨」です。

試験対策では、雨・雪・霧・雷など、頻出する現象の記号を見分けられるようにしましょう。

7. 過去天気記号

過去天気とは、観測時刻より前の一定時間にどのような現象があったのかを示すものです。

気象庁の国際式では、過去天気の対象時間は観測時刻によって異なります。たとえば、観測時刻が 00、06、12、18 UTCなら、その前6時間が対象です。03、09、15、21 UTCなら、その前3時間が対象になります。

気象予報士試験出でてくる予報図だと前6時間のものが多いです。

過去天気の記号は下記のようなものがあります。上の図の例では、過去天気はしゅう雨性降水です。

引用元:気象庁HP
符号気象庁の解説(要約)
3砂じんあらし、または高い地ふぶき(視程1km未満)
4霧・氷霧(視程1km未満)、または濃煙霧(視程2km未満)
5霧雨
6雨
7雪またはみぞれ
8しゅう雨性降水
9雷電(降水を伴う場合、伴わない場合の両方)

8. 気温

国際天気図の観測地点には気温を整数で表記します。この場合は26℃であることを示しています。

9. 気圧

国際天気図では3時間前との気圧の変化量とその変化傾向を示します。

変化量は±をつけて0.1hPa単位で、小数点を除いて表現します。3時間前から増加した場合は+、減少した場合は‐となります。例えば、上の図の-54というのは、3時間前と比較して5.4hPa減少したことを示しています。

次に、変化の傾向は下記のように表します。

つまり、例示の気圧変化傾向は3時間前より、一旦上昇後下降し、3時間前と比較して低い状態であることがわかります。

10. まとめ

天気図・気象資料を読み取るには、まず天気記号を覚えることが必要です。それぞれが何を表しているのかを理解することが重要です。

特に、次のポイントは試験前に確認しておきましょう。

  • 国際式天気記号では、雲量・天気・風向風速などを決められた形式で表す
  • 風向は風が吹いてくる方向を示し、矢羽根の形で風速を読み取る
  • 現在天気記号、過去天気記号を覚える

これらの基礎知識を身につけておくと、実技試験で天気図や気象資料から必要な情報を効率よく読み取れるようになります。また、記号を問う問題が毎回のように出されますので確実に得点できます。