1-2 気象予報の用語と基準まとめ:時間帯・雨や風の強さ・台風の階級・海上警報について

気象予報士試験では、天気予報で使われる時間帯の表現や雨・風の強さの区分、台風の階級、海上警報の種類と発表条件を正しく理解しておく必要があります。

記述問題と違い、暗記しておけば確実に1点か2点ぐらいですが、確実に得点できます。

また、単なる用語の暗記ではなく、気象資料や天気図に記載された情報を正確に読み取るための基礎知識ともなります。

この記事では、試験対策で押さえておきたい用語と数値基準を整理します。

1. 天気予報で使われる時間帯の区分

気象庁は、天気の変化を分かりやすく伝えるため、1日を3時間ごとに区切った時間帯の表現を使用しています。

1日の時間帯

時間帯時刻
未明0時~3時
明け方3時~6時
朝6時~9時
昼前9時~12時
昼過ぎ12時~15時
夕方15時~18時
夜のはじめ頃18時~21時
夜遅く21時~24時

例えば、「昼過ぎから雨」という予報は、12時から15時ごろの時間帯に雨が降り始めることを表すものです。厳密な降り始めの時刻を示しているわけではありません。

「朝」「昼前」「昼過ぎ」などの表現は、それぞれ時間帯が異なります。時刻の範囲を正確に覚えておきましょう。

「一時」「時々」「のち」の違い

天気予報では、天気の変化の仕方を表す言葉も使われます。特に重要なのが「一時」「時々」「のち」です。

用語意味
一時ある現象が連続して起こり、その現象の発現期間が予報期間の4分の1未満
時々ある現象が断続的に起こり、その発現時間の合計が予報期間の2分の1未満
のち予報期間の前半と後半で現象が変わること
次第にある現象が順を追ってだんだんと変化すること
ところにより予報対象区域内の一部の地域(予報区域内の50%未満の面積)で現象が起こること

「一時」と「時々」は、現象の継続の仕方と発現時間によって区別します。

例えば、24時間の予報期間で考えると、連続する雨が6時間未満なら「一時」、断続的な雨の合計が12時間未満なら「時々」の基準に該当します。ただし、実際の予報表現は現象の時間的な変化なども考慮して決められます。

「晴れのち雨」は、晴れから雨に変わることを表しますが、必ず午前中が晴れで午後が雨になるという意味ではありません。

また、府県天気予報などでは、可能な場合には「晴れ昼過ぎから雨」のように、具体的な時間帯を示す表現が使われます。

2. 雨の強さの区分

雨の強さは、主に1時間に降る雨量(mm)によって表現されます。気象庁は、雨の強さを「やや強い雨」「強い雨」「激しい雨」「非常に激しい雨」「猛烈な雨」などに区分しています。

雨の強さと1時間雨量

1時間雨量予報用語降り方の目安
10mm以上20mm未満やや強い雨ザーザーと降る
20mm以上30mm未満強い雨どしゃ降り
30mm以上50mm未満激しい雨バケツをひっくり返したように降る
50mm以上80mm未満非常に激しい雨滝のように降る
80mm以上猛烈な雨息苦しくなるような圧迫感があり、恐怖を感じる

この区分は、雨量の数値だけでなく、雨の降り方や人への影響を理解するためにも重要です。

例えば、1時間雨量が30mm以上になると「激しい雨」に該当し、道路が川のようになることがあります。50mm以上では、周囲の視界が悪くなり、車の運転が危険になることがあります。

また1時間雨量〇〇mmは、〇〇mm/hとも表されます。

3. 風の強さの区分

風の強さを表す予報用語は、主に10分間の平均風速を基準にしています。

瞬間的に吹く強い風と、一定時間にわたって吹く風は異なるため、平均風速と瞬間風速を区別して理解することが重要です。

風の強さと平均風速

平均風速予報用語人への影響など
10m/s以上15m/s未満やや強い風風に向かって歩きにくくなり、傘がさせない
15m/s以上20m/s未満強い風風に向かって歩けなくなり、転倒する人もいる
20m/s以上30m/s未満非常に強い風何かにつかまっていないと立っていられないことがある
30m/s以上猛烈な風屋外での行動が極めて危険になる

気象庁の「風の強さと吹き方」では、さらに風速ごとの屋外の様子や建物への影響などが示されています。

なお、10m/s未満の風については、この表の「やや強い風」以上の区分には該当しません。

平均風速と瞬間風速の違い

用語定義
風速気象庁の予報用語では、通常10分間平均風速を指す
最大風速ある期間における10分間平均風速の最大値
瞬間風速3秒間の平均風速
最大瞬間風速ある期間における瞬間風速の最大値

例えば、平均風速が15m/sであっても、瞬間的にはそれを大きく上回る風が吹くことがあります。

台風情報などで発表される「最大風速」と「最大瞬間風速」は別の値です。試験では、それぞれの定義を混同しないようにしましょう。

4. 台風の階級と分類

台風に関する用語では、台風の強さ・大きさ・暴風域・強風域を区別する必要があります。

台風の強さ

気象庁は、台風の強さを最大風速(10分間平均風速の最大値)によって分類しています。

強さの階級最大風速
強さを表現しない33m/s未満
強い33m/s以上44m/s未満
非常に強い44m/s以上54m/s未満
猛烈な54m/s以上

「強い台風」などの表現は、台風の最大風速に基づくものです。中心気圧だけで強さを分類しているわけではありません。

また、最大風速が33m/s未満の場合は、気象庁の台風情報では「強い」「非常に強い」「猛烈な」という強さの表現を使用しません。最大風速33m/s未満であっても大雨による災害なども考えられるため、「弱い」などと報道してしまうのは、防災上好ましくありません。

台風の大きさ

台風の大きさは、風速15m/s以上の風が吹くか、吹く可能性がある範囲(強風域)の半径を基準に分類します。

大きさの階級強風域の半径
大きさを表現しない500km未満
大型(大きい)500km以上800km未満
超大型(非常に大きい)800km以上

例えば、強風域の半径が600kmなら「大型」、850kmなら「超大型」に該当します。

強風域の半径が500km未満の場合は、こちらも防災上の観点から、大きさを表す階級名を付けません。

強風域と暴風域

用語定義
強風域風速15m/s以上の風が吹いているか、吹く可能性がある範囲
暴風域風速25m/s以上の風が吹いているか、吹く可能性がある範囲

強風域と暴風域は、風速の基準が異なります。

台風情報で示される暴風域は、暴風がいつ吹いてもおかしくない範囲を表します。台風の中心付近だけでなく、台風の周辺でも強い風が吹く可能性があります。

台風の強さと大きさは別の分類

台風の強さは最大風速、大きさは強風域の半径によって分類されます。そのため、強い台風が必ずしも大型とは限らず、大型の台風が必ずしも非常に強いとは限りません。

例えば、「大型で強い台風」という表現は、強風域の半径が500km以上800km未満で、最大風速が33m/s以上44m/s未満であることを意味します。

台風の国際的な階級

気象庁の気象資料では、台風などの熱帯低気圧について、英文資料で次のような階級表記が使われることがあります。

略号英語最大風速の目安
TSTropical Storm34ノット以上48ノット未満
STSSevere Tropical Storm48ノット以上64ノット未満
TTyphoon64ノット以上

これらは、英文資料などで用いられる熱帯低気圧の階級です。日本語の台風情報で用いられる「強い」「非常に強い」「猛烈な」という強さの表現とは、分類の目的と区分が異なります。

5. 海上警報の種類と発表条件

海上警報は、日本近海を航行する船舶などに向けて、強風や台風、濃霧、着氷などの危険な気象現象を知らせる情報です。

気象庁は、対象となる現象が発生している場合、または24時間以内に発生すると予想される場合に、基準に応じた海上警報を発表します。

風に関する海上警報

警報の種類略号発表基準
海上風警報W最大風速28ノット以上34ノット未満
海上強風警報GW最大風速34ノット以上48ノット未満
海上暴風警報SW台風の場合は最大風速48ノット以上64ノット未満。温帯低気圧の場合は48ノット以上
海上台風警報TW台風による最大風速64ノット以上

海上警報の風速はノットで示されます。前述したように、1ノットは約0.514m/sです。

目安として、次の関係を覚えておくと便利です。

  • 28 kt ≒ 14.4 m/s
  • 34 kt ≒ 17.5 m/s
  • 48 kt ≒ 24.7 m/s
  • 64 kt ≒ 32.9 m/s

※発表基準の境界値はノットによる公式基準を優先してください。m/sへの換算値は概算です。

海上暴風警報は、台風の場合と温帯低気圧の場合で基準の扱いが異なります。台風による風が48ノット以上64ノット未満の場合は海上暴風警報、64ノット以上の場合は海上台風警報に該当します。一方、温帯低気圧による風では48ノット以上が海上暴風警報の基準です。

海上濃霧警報

海上濃霧警報は、海上の視程が基準以下になっている場合、または24時間以内にその状態になると予想される場合に発表されます。

項目基準
通常の海域視程0.3海里以下(約500m以下)
瀬戸内海視程0.5海里以下(約1km以下)

視程とは、水平方向に見通せる距離のことです。

濃霧によって船舶の視界が著しく悪くなると、他の船舶や障害物の発見が遅れるおそれがあります。そのため、海上濃霧警報では視程を基準として危険を知らせます。

生した波が伝わってくる現象で、現地の風が弱くても高い波が生じることがあります。

海上警報の対象海域

海上警報は、日本近海を対象に発表されます。気象庁は日本近海を地方海上予報区に分け、さらに細分海域ごとに海上警報や海上予報を提供しています。

天気図では、警報の対象となる海域が線で囲まれて示されることがあります。実技試験では、警報の種類だけでなく、対象となる海域や天気図上の表示も確認しましょう。

6. 試験前に覚えておきたい数値一覧

項目基準・数値
未明0時~3時
明け方3時~6時
朝6時~9時
昼前9時~12時
昼過ぎ12時~15時
夕方15時~18時
夜のはじめ頃18時~21時
夜遅く21時~24時
やや強い雨10mm/h以上20mm/h未満
強い雨20mm/h以上30mm/h未満
激しい雨30mm/h以上50mm/h未満
非常に激しい雨50mm/h以上80mm/h未満
猛烈な雨80mm/h以上
やや強い風10m/s以上15m/s未満
強い風15m/s以上20m/s未満
非常に強い風20m/s以上30m/s未満
猛烈な風30m/s以上
強い台風最大風速33m/s以上44m/s未満
非常に強い台風最大風速44m/s以上54m/s未満
猛烈な台風最大風速54m/s以上
大型の台風強風域の半径500km以上800km未満
超大型の台風強風域の半径800km以上
海上風警報28ノット以上34ノット未満
海上強風警報34ノット以上48ノット未満
海上暴風警報台風の場合48ノット以上64ノット未満、温帯低気圧の場合48ノット以上
海上台風警報台風による風が64ノット以上
海上濃霧警報視程0.3海里以下。瀬戸内海は0.5海里以下

7. まとめ

気象予報士試験では、予報用語の意味と数値基準を正確に理解することが重要です。

特に、次のポイントは混同しやすいため、重点的に覚えておきましょう。

  • 「一時」は連続的、「時々」は断続的な現象を表す
  • 雨の強さは1時間雨量、風の強さは10分間平均風速を基準にする
  • 台風の強さは最大風速、大きさは強風域の半径で分類する
  • 強風域は15m/s以上、暴風域は25m/s以上の風が吹くか、吹く可能性がある範囲
  • 海上警報は風速や視程などの基準に基づいて発表される
  • 海上暴風警報の基準は、台風と温帯低気圧で扱いが異なる

用語の定義と数値をセットで覚えておくことで、天気予報や天気図、海上警報に関する問題を正確に読み解きやすくなります。