第56回実技2 問1(3)

まず、赤外画像における台風中心付近の雲分布についてですが、中心付近の雲域は非常に白く団塊状に写っているため、発達した積乱雲であることがわかります。このあたりの雲分布を問題文の指示通りに中心の北西側と南東側を比較してみますと、北西側は雲が少なく、南東側は雲頂高度の高い雲が多く広がっているのがわかります。

上層雲に言及するように書かれていますので注目しますと、南東では雲が中心から、時計回りに回転するように広がっているのがわかります。学科試験の範囲でもありますが、台風は圏界面付近では発散場となっており、中心から少し離れたところで、空気塊が高気圧性循環(時計回り)で吹き出しているのです。

今回の赤外画像では、中心の南東側でこの現象が見られるのです。

これらをまとめますと、

北西側は雲が少なく、南東側に発達した対流雲があり、その上部から吹き出した上層雲が南へ広がっている。(49字)

次に、台風に伴う850hPa面の風速分布についてですが、台風の風速は、進行方向の右側では、台風の進行方向と風向が一致するため、風速が大きくなり、進行方向の左側では、台風の進行方向と風向が反対向きとなり、風速が小さくなります。これを念頭に置いて、図3を見てみます。

台風の進行方向の右側である南東側で風速が大きく、左側の北西側で風速が小さいことがわかります。これを風速の値に触れてまとめますと、

南東側で相対的に強く、最大40ノットに達するが、北西側は最大15ノットで弱い。(39字)

となります。