(1) 冬型の気圧配置の収束帯
① 収束帯の移動

風向のデータが十分にあるわけではないので、等圧線の走向から風向と収束帯を想定します。
まず30日9時では、上の図のとおり、日本海中部付近では等圧線が東北東~西南西となっていますが、日本海西部では、北北西~南南東に変化しています。風向はそれぞれ、東北東と北北西の風となり、等圧線が折れ曲がるところで収束していると思われます。この折れ曲がる点を繋いでいくと、収束帯を解析することができます。

30日21時には、上で解析し、破線で示した30日9時の収束帯からすこしずれた部分に収束帯を解析できます。日本海の海岸と交わる点においては、収束帯は西側に動いています。
② 収束帯と風の分布
風向と風速はそれぞれ、等圧線の走向と等圧線の間隔で推測できます。
風向については、等圧線と平行から、摩擦の影響で少し高圧側から低圧側に向かって吹く向きのとなりますので、30日21時には、収束帯の西側では北西の風、東側では北の風と推測できます。
風速については、西側のほうが等圧線の間隔が狭いので、風速が強いと言えます。よって、
西側は北西の風が強く、東側は北の風が相対的に弱い。(25字)
(2) レーダーエコーとじょう乱

①渦Aの中心を解析すると、13時には渦Aと渦Bは地図上で41mm離れています。実際の距離が111kmである緯度1°が地図上で23mmであることから、渦Aと渦Bの実際の距離は、
111km×41mm/23mm=197.9kmとなるので、10km刻みでは200kmとなります。
②12時から14時にかけて渦Aの中心は東南東に移動しています。
③こちらも①と同様にすると、12時から14時の移動距離は91.7kmとなりますので、移動の速さは、
91.7km/2h=45.85km/hとなるので10km/h刻みでは、50km/hとなります。
(3) 低気圧性循環と風向
渦の中心と観測地点の位置関係による風向は以下のようになります。

渦中心が南東側のときは、北西の風なので、南風成分は負、西風成分も負となります。
同様に、渦中心が南西側のときは、南風成分は正、西風成分は負、
渦が北東側のときは、南風成分は負、西風成分は正、
渦が北西側のときは、南風成分と西風成分はともに正です。
よって
①正②負③負④正⑤正⑥負
(4) じょう乱と風
① じょう乱と気温及び風速

渦A最接近時の13時には気温は極大となっていますが、風速は極小となっています。
よって、気温:極大となっている。風速:極小となっている。
② じょう乱の中心方向
西郷の風向は接近の前の11時頃から、西風が強まり、南風の成分も加わっています。(3)より西風と南風の成分がともに正となるのは渦中心が観測地点の北西側のときです。北か南かで答えるならば北側となります。また、最接近時は風速が弱まっていますが、渦の中心付近は風向や風速が乱れているためここでは、考えません。
理由は、
渦が西郷に最接近する前に西風成分が強まったため、渦は北西側と判断されるため。(38字)
③ じょう乱の位置と風向
渦中心の移動に伴う風向は、下記のように時計回りに変化します。低気圧中心の移動方向の右側では右回り、左側は左回りに風向が変化します。

④ じょう乱と風向変化
今回の風は渦だけを要因とするものではなく、渦A接近前から一様に西風が吹いていたことがわかります。そのような条件で北西側から低気圧が近づいた場合南風の成分が正となることから、下記の図のとおり、西風から南西風への風向の変化が見られます。


よって答えは、
強い西風の場の中で渦が北側(北西側)から接近し、風の南成分が次第に強まったため、反時計回りになった。(46字)
(5) 米子の気象状況
① じょう乱の移動

トレーシングペーパーやコンパスを使い、15時と16時の中心を結んだ線をそのまま伸ばし、15時と16時の距離をもとに、17時と18時の中心位置を推測します。米子に最接近するのは、17時と18時の中間付近なので17時30分です。
② じょう乱の通過方向

最接近の17時30分の直前から風向は、反時計回りに変化しています。通常風向の変化が時計回りか反時計回りかをもとに、渦の中心が観測地点のどちら側を通過したかを推測できますが、今回の条件では前問の通り、渦以外に西風が強い状況での変化なので、これには当てはまりません。
よって、問題の流れの通り、どちらの風の成分が強まったかということから推測します。
接近前には西風ですが、南風の成分が強まり、西風成分が弱まり、風向は西→南→南東と変化しています。
渦が観測点の北側を通過した場合は、西風成分は大きくなり、南側の場合は小さくなるので、今回は南側を通過したと言えます。
理由は上述のとおり、
渦Bの通過時に、西風成分に負の時間帯がみられるため。(26字)
③ じょう乱と気象状況
上の図のとおり、
気圧:最接近時付近で極小になった。(14字)
10分間降水量:最接近時の直後に極大になった。(16字)
気温:相対的に変化は小さい。(11字)
となります。
(6) 注意報の適用

まず10分間降水量は、10分間降水量は最大2mmとそれほど多くはなく、大雨注意報はでなさそうです。しかし、気温を見ると0℃前後であり、雨というよりは雪の可能性が高いです。雪であればこのぐらいの降水量でも体積が大きくなるため、大雪注意報が出される可能性があります。また、気温が0℃前後であることから湿った雪となり、着雪注意報も出される可能性が高いです。
また、もともと雪が積もっていた場合は、新雪とのなじみが悪く、なだれ注意報も出される可能性があります。

米子付近では等圧線が折れ曲がり、収束帯をとなっているため、積乱雲が発達し雷の可能性もあります。
また、等圧線が混み合っているので、風も強く沿岸であることから、波浪注意報も考えます。
よって、大雪、着雪、なだれ、雷、波浪のうち3つ答えれば正解です。
















