11-4 気象予報士と試験

気象予報士制度は、気象庁以外の民間事業者が予報業務を行う際に、その技術水準を担保するために設けられました。

1. 気象予報士試験(第24条の2〜)

まずは試験そのものについての規定です。

1.1 受験資格と試験事務

  • 受験資格:制限なし。年齢、学歴、国籍に関係なく、誰でも受験できます。
    • 過去問: 「未成年者は受験できない」 $\rightarrow$ ×(受験できます)。
  • 試験の実施: 気象庁長官が行いますが、実際の実務は指定試験機関(現在は「一般財団法人気象業務支援センター」)に行わせることができます。
  • 合格基準: 気象予報士として必要な知識及び技能を有するかどうか。

1.2 合格の取消し(第24条の10)

不正な手段(カンニングや替え玉受験など)を使って試験を受けたり、合格しようとした場合、気象庁長官は以下の処分を行えます。

  1. 受験の停止: その試験を中止させる。
  2. 合格の無効: 合格を取り消す。
  3. 受験禁止期間: 2年以内の期間を定めて、次の試験を受けさせないことができる。

2. 気象予報士の登録(第24条の18〜)

ここが最重要ポイントです。「試験に合格しただけ」では気象予報士として名乗ることも、仕事をすることもできません。

2.1 登録の要件

  • 試験に合格した者は、気象庁長官の登録を受けることで、初めて「気象予報士」となります。
  • 登録を受けると、「気象予報士名簿」に氏名などが記載されます。

2.2 登録の拒否(欠格事由)(第24条の21)

合格しても、以下の条件(欠格事由)に当てはまる場合、登録を拒否されます。試験で「2年」という数字と「この法律(気象業務法)」という条件が頻出です。

拒否される理由詳細
過去の取消処分気象予報士の登録を取り消され、その取消しの日から2年を経過しない者。
(※本人死亡や精神障害による取消しは除く)
罰則を受けた者この法律(気象業務法)の規定により罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から2年を経過しない者。

ひっかけ注意!

  • 「道路交通法違反で罰金刑を受けた」 $\rightarrow$ 登録できる(気象業務法違反ではないから)。
  • 「気象業務法違反で罰金刑を受け、1年が経過した」 $\rightarrow$ 登録できない(2年経っていないから)。

3. 登録事項の変更・死亡の届出(第24条の22・23)

登録後に状況が変わった場合の手続きです。「いつまでに」届け出るかが問われます。

ケース届出の内容期限
登録事項の変更氏名や住所に変更があった場合遅滞なく
死亡した場合相続人が届け出る遅滞なく
欠格事由への該当精神の障害等に該当するに至った場合遅滞なく

比較ポイント:

予報業務許可(会社の方)の廃止届は「30日以内」ですが、予報士個人の死亡や変更は「遅滞なく(すぐに)」です。


4. 登録の抹消(取消し)(第24条の25)

一度登録しても、特定の条件で資格を剥奪(抹消)されることがあります。

4.1 必要的抹消(必ず消される)

気象庁長官は、以下の場合、登録を取り消さなければなりません。

  1. 死亡したとき。
  2. 欠格事由(精神障害、気象業務法違反での罰金刑など)に該当するに至ったとき。
  3. 不正な手段で登録を受けたことが判明したとき。

4.2 裁量的抹消・業務停止(消されるかもしれない)

気象予報士が、「気象業務法」「この法律に基づく処分」に違反した場合、以下の処分が下されることがあります。

  1. 登録の取消し
  2. 業務の停止(期間を定めて、予報士としての業務を禁じる)

5. 名称の使用制限(第24条の28)

第24条の28

気象予報士でない者は、気象予報士又はこれに紛らわしい名称を用いてはならない。

  • 独占名称: 気象予報士は「名称独占資格」です。
    • 資格がないのに「私は気象予報士です」と名乗ると罰則があります。
    • ただし、業務独占(予報士しかやってはいけない仕事)は「予報業務許可事業における現象の予想」に限られます。

6. まとめ:試験対策チェックリスト

試験でよく問われる正誤判定のポイントです。

  • 受験資格に年齢・国籍の制限はない(小学生でもOK)。
  • 合格しても「登録」しないと予報士と名乗れない。
  • 気象業務法以外の罪(窃盗や交通事故など)での罰金刑なら、登録は拒否されない。
  • 気象業務法違反での罰金刑は、2年間登録できない。
  • 住所変更や死亡の届出は「遅滞なく」。
  • 不正受験は、その後「2年以内」受験禁止になることがある。