第64回実技2 問4(2)

①低気圧の発達に寄与するトラフということなので、低気圧の西側にトラフを解析します。

トラフの解析は等高度線の曲率が大きいところと、正渦度が大きいところ(極大点)を通すように解析します。このルールをもとに下記のように2本のトラフを解析できます。

2本のトラフは5700mの高度線の曲率が大きいところから、渦度の尾根(網掛け部)の軸を通るような形となります。

②12日9時以降のトラフと低気圧の動きについて確認する必要があります。12日9時から12時間後の12日21時のトラフと低気圧の位置は下記のとおりです。

12日9時と同じように2本の渦度の尾根がありますので、その軸に沿ってトラフを解析できます。

12日9時には2本のトラフが低気圧の西側にありましたが、12日21時にはトラフAは低気圧を追い越し、トラフBが低気圧の西側に近づくことがわかります。つまり、まずは、12日9時の時点で低気圧のすぐ西側にあるトラフAが低気圧の発達に寄与し、その後トラフBが発達に寄与するという流れになります。

よってこれらをまとめますと、

トラフAは主に12日21時までの発達に寄与し、トラフBはその後の発達に寄与する。(40字)