(1) 等温線の作図
26℃の等温線は、下記の緑色の線のように作図できます。

解き方を、解説します。まず、観測点の温度の読み取り方ですが、十の位から小数点第一位までを3桁で表記しています。例えば、246であれば、24.6℃ということになります。
また、もともと書かれている等温線ですが、温度表示がないので、明らかにしていきます。北西から張り出している等温線は22℃台、23℃台と24℃台、25℃台の境界に引かれているので、24℃の等温線であることがわかります。広島県の南側で丸く囲まれている等温線は、23.8℃の領域を囲んでいるので24℃の等温線です。一方、東側や南側の等温線は、同様にして28℃の等温線であることがわかります。
これらの、間を通る26℃の等温線を作図していきます。26℃の等温線は24℃と28℃の等温線の間を通りさえすればよいのではなく、各々の観測地点の26℃より高い地点と低い地点の間を通るようにしないといけません。よってそれぞれの観測地点で、26℃より高い地点を赤、低い地点を青としています。なお、26℃の地点は緑としています。そのうえで下記のルールを守るように26℃の等温線を作図してください。
- 赤と青の間を必ず分断するように通る
- 赤と赤や青と青の間は通らないか、2回通る
- 緑の地点上を必ず通る
また、そのうえで、赤と青の間をとおるときは、観測点の温度の26℃に近いほど観測点の近くをとおるように按分してください。例えば26℃の等温線を26.5℃と25.0℃の間を通して作図する場合は、それぞれの観測地点との距離を1:2程度にする(26.5℃の観測地点の近くをとおる)ようにしてください。
(2) シアーラインの解析
① シアーラインとエコー分布
図11と図12を重ね合わせ、シアーラインと降水のエコーの位置関係を見ていきます。

降水強度20mm/h以上の黄色やオレンジの領域は、シアーラインの西側に沿って分布しているのがわかりますのでこれを解答します。
シアーラインに沿ってその西側に降水強度20mm/h以上のエコーが分布している。(29字)
② シアーラインと風及び気温の分布
まず、シアーラインと地上風の分布の特徴についてです。この手の問題は非常によく出題されますが、基本的に、「シアーラインの〇〇側は、〇〇の風で、〇〇側は、〇〇の風となっており、シアーライン付近で収束している。」というような解答になります。

今回のケースにおいては、シアーラインの東側では東の風で、西側では北よりの風ですので、これをまとめると
シアーラインの東側は東よりの風、西側は北よりの風で、シアーライン付近で風が収束している。(44字)
なお、シアーラインの西側のほうが風速が大きいなどと、風速への言及も間違いではないと思われますが、字数の関係から言及されていません。
次に地上気温の関係です。気温とシアーラインの関係も、「シアーラインの〇〇側で気温が高く、〇〇側で気温が低い(、シアーライン付近で温度傾度が大きい)。」というような解答になることが多いです。
(1)より26℃の等温線を作図しましたので、それを反映した等温線をシアーライン付近に重ね合わせます。

シアーラインのある山陰沿岸部では、西側に東側に向かって24℃の等温線から28℃の等温線の間隔が狭く集中しています。この状況をまとめると、
シアーラインの東側は西側に比べて気温が高く、シアーライン付近で温度傾度が大きい。(40字)
③ シアーラインの通過時刻

シアーラインの東側は東よりの風、西側は北よりの風であることがわかっているので、シアーラインが通過すると、東よりの風から北よりの風となると推測できます。斐川では、8時30分に東よりの風が北よりの風に変わり、松江では9時50分に同様の変化をしていますので、斐川と松江のシアーラインの通過時刻はそれぞれ、8時30分と9時50分です。
東に進む移動の速さについてです。斐川と松江の東西方向の距離は、15kmであると指定されています。この15kmを8時30分から9時50分の1時間20分かけて移動しています。1時間20分は1.33時間なので、移動の速さは15km/1.33h=11.3km/hとなり、整数で答えると11km/hとなります。
④ エコーの到達時刻

9日9時のエコーの20mm以上の領域と境港との地図上の距離は10mmです。緯度1°分の111kmが40mmで表されているので、強雨域と境港の実際の距離は、111km×10mm/40mm=28kmとなります。シアーラインとエコーは位置関係を変えないので、エコーの移動の速さを、シアーラインの移動の速さとすると、③より、11km/hとなりますので、強雨域が境港に達するまでにかかる時間は、
28km/11km/h=2.55時間となります。30分刻みでは2時間30分後に到達することになるので、11時30分ということになります。
(3) シアーライン周辺の気象状況

①シアーラインの位置する等相当温位線が集中している付近は、西側から東側に向かって相当温位が高くなっていますので、東側の方が相当温位が高いです。
②図13(上)の図の等相当温位線収集帯の東側付近は、図13(下)の図では最大‐211hPa/hの強い上昇流域となっています。
③相当温位は、温位高く、湿数が低いほど、高くなります。相当温位は、温位に水蒸気の潜熱による影響を加えたものだからです。よって、湿数が同じで相当温位傾度が大きいということは、温位の傾度が大きいと言えます。また、相当温位傾度は基本的に同じ圧力下で比較しているものなので、温度傾度が大きいとも言えます。
④800hPa~950hPaのシアーラインの東側では、風向が上層に向かって時計回りに変化していますので、暖気移流となっています。
⑤反対にに西側では、風向が上層に向かって反時計回りとなっていますので、寒気移流となります。
⑥対流不安定とは、相当温位が上層に向かって低くなっている状態をさします。シアーラインの西側の東経132°では、地表から約800hPaに向かって、相当温位が約352Kから341Kと低くなっています。それより上層ではまた相当温位が高くなっていくので、この地表から約800hPaが対流不安定ということになります。一方で、シアーラインの東側の東経134°では、地表から約500hPaに向かって363Kから352Kへと低くなっており、この層が対流不安定です。よって東側のほうが対流不安定な層は厚いです。
⑦上記の通り、対流不安定な層の厚さは、西側では約200hPa、東側では約500hPaであり、その差は300hPaです。
⑧相当温位傾度の大きい領域の東縁付近では相当温位が高いです。
⑨⑩相当温位の勾配が小さいということは、乾燥断熱減率もしくは湿潤断熱減率に沿って、相当温位が一定にのまま持ち上げられているということです。よって対流により空気がよく混合していると言えます。
(4) シアーラインと災害
雨以外の気象現象で、予報用語を用いて強さを表せるのは風についてかなと考えます。
(2)④より、境港では、昼前の11時30分頃に強雨域が到達する予想です。(2)①よりこの強雨域はシアーラインの西側にあることがわかっています。シアーラインの西側(シアーラインの通過後)は下の図からもわかるように北よりの20m/s以上の風が吹いていますので、境港も昼前には20m/s以上の風が見込まれます。


上の表のとおり、風速20m/sの風は予報用語に合わせると非常に強い風となりますので、この語句をいれてまとめると、
シアーライン通過後の北よりの非常に強い風(暴風) 。(21字)









