第62回気象予報士試験 実技1 問2【過去問解説】

(1) トラフの移動

12時間後のトラフの位置は5580mの等高度線の少し北側の東経130°付近から、5700mの等高度線付近にかけて解析されています。24時間後の予想図から、これより東側で、この高度付近に、等高度線の曲率のお大きい部分や正渦度極大点がないか探します。

すると、24時間後では東経135°付近に等高度線が下に凸となり、+186とかかれた正渦度極大点も見られますのでここに、トラフを解析できます。5580mの等高度線と交わる経度は136°といえます。

同様に36時間後も見てみます。

36時間後も等高度線の曲率と正渦度極大点に沿ってトラフを解析できます。トラフが5580mの等高度線と交わるのは東経144°です。

(2) 低気圧の諸元

まずは中心気圧の変化量から見ていきます。

1012hPa→1008hPa→1000hPaと変化していますので、

-4hPa

-8hPa

となります。

次に移動の速さと方向についてです。これはそれぞれの低気圧中心をトレーシングペーパーなどで位置枚の図に落とし込んでください。

移動の方向は、

北東

となります。

移動の速さについては、

北緯30°~40°の600海里が地図上で40mmであることを利用します。12日21時から13日9時までの移動距離が地図上で13mmであるので、600海里×13mm/40mm=195海里となります。

移動の速さは195海里/12h=16.25ノットとなりますので、

③5ノット刻みでは15ノットとなります。

④同様にして、25ノットとなります。

(3) トラフの移動速度の変化

12時間後から36時間後までのトラフの位置と地上低気圧中心の位置を整理します。

12時間後から24時間後にかけては、トラフは低気圧の西側にありますが、36時間後にはトラフが低気圧に追いついています。

また、速度の変化についてですが、12時間後から24時間後にかけて南東進していたトラフは24時間後から36時間後にかけては東北東方向に向きを変え移動速度も速まる予想です。

よって、

トラフは前12時間と比べ東北東進に変わり速度を速めて、地上低気圧に追いつく。(38字)

(4) 降水と地形及び風

地形図を踏まえて解答させる問題では、おおよそ、下層風が山地の斜面で強制上昇し、大雨となるという過程を答えさせる問題ですので、それを念頭に置いて考えてみます。

最も降水量が多く予想されているのは+52mm/12hと予想されている東海地方付近です。

この部分の850hPaの下層風は南よりの風となっており、700hPaの上昇流の極点もあります。

地形図と見比べますと、南よりの風が中部山岳の南斜面にあたることがわかりますので、ここで下層風が強制上昇し、大雨の原因となることが予想できますので、これらをまとめます。

中部山岳南側の南向き斜面で、南よりの下層風が流入している。(29字)

(5) 前線の作図

すでにトラフが低気圧中心に追いついていることから、閉塞段階に入っている可能性も踏まえて解答します。

寒冷前線における6℃から9℃の等温線集中帯が低気圧中心から離れていますので、上の図のように閉塞前線をかく必要があります。

また、低気圧中心の前面の等温線が密であり、前面の方が後面よりも寒気が強いといえます。

よって、下の図のように寒冷前線面が温暖前線面に乗り上げるような閉塞をします。

よって閉塞前線は温暖前線面の方向にそってかかれることになります。(寒冷前線が温暖前線にのみこまれるイメージ)

地上の気圧の谷に沿って修正すると上の図のように作図できます。