①まず相当温位の最小についてです。等相当温位線は3Kごとに太実線、1Kごとに細実線で表されています。Lと書かれた相当温位の極小域付近から西側に張り出す青で示した線は315Kの相当温位線です。660hPa付近を中心とした相当温位の谷があることがわかります。内之浦上空では660hPa付近で315Kの線より内側になりますが314Kの線は東に離れているので、内之浦上空の最小値は整数では315Kということになります。高度は660hPaです。
ここでの湿数は6℃の等湿数線の3つ隣の青で示した太破線となります。等湿数線も1℃ごとに引かれ、3℃ごとに太い破線で示されていますので。答えは6℃の線より3℃差がある3℃か9℃かどちらかになります。ここでその東にDの表記があることから、このあたりは湿数が大きく乾燥していることがわかりますので9℃が正解です。
次に相当温位の最大についてです。315Kの等相当温位線から下層に向かい等相当温位線が密集しています。最大となるのは赤で示した326Kの線と327Kの線の間ぐらいですので、326Kもしくは327Kが正解です。高度は10hPa刻みでは990hPaが妥当です。
湿数はオレンジの破線が1℃なので1℃もしくは0℃が正解です。
②
問題文の通り、800hPaから900hPaに囲まれた範囲を示します。また等相当温位線の尾根をつなぎ、問題文で言及している東西に伸びる相当温位の極値をしめします。これと湿数の分布の対応の特徴について考えます。相当温位は気温が同じであれば湿った空気ほど大きくなりますので、その関係を知っているかを問われた問題だと考えます。
それを踏まえて図を見たとおりに答えると、
相当温位の極大域にほぼ対応して、湿数が相対的に小さくなっている。(32字)
③
再び①の図に戻りますが、内之浦では地上から660hPaに向かって、相当温位が小さくなっていく分布なのがわかります。この状態を対流不安定といいます。下層の暖湿空気が上昇すると潜熱放出により、その空気塊は周囲の空気より温度が高くなり、対流しやすくなり、積乱雲等が発達します。
対流不安定と言える理由は前述のとおり、
上方に向かって相当温位が低くなっているため。(22字)
④この問題の③以外の大気の状態のうちという題意が不明ですが、大雨をもたらす水蒸気の供給とは下層に水蒸気が供給されることです。これが対流不安定に関連していきます。加えて相当温位と湿数と風に言及するのであれば、相当温位は水蒸気が多ければ、当然高く、湿数は小さくなるわけです。また、風に関して言えば、上の図を見る限り、東側の高相当温位の領域からの東風が予想されています。
これらをまとめると、
下層に、湿数が小さく相対的に高相当温位の暖湿な東風が予想されている。(34字)