第55回実技2 問2(3)

まず、選択肢(a)についてです。低気圧中心を結ぶ軸は最初傾いていたがとありますが、図1と図2を比較するとLの位置はほぼ同位置であることがわかりますので、最初から低気圧中心の軸は鉛直方向に立っていました。つまりこれは誤りです。

次に選択肢(b)です。500hPaの低気圧に対する地上低気圧が12時間後には低気圧として予想されなくなるとありますが、12時間後である30日9時や24時間後の30日21時にも地上にはLが書かれていますのでこちらも誤りかと思われますが、結論を言うと誤りではありません。なぜならこの地上低気圧は500hPaの低気圧に対応するものではないからです。

(1)では30日21時にかけて、寒冷低気圧の高度が上がり、寒冷低気圧が不明瞭になりつつあることにふれました。(2)では、30日21時の地上低気圧(九州の東南海上)が、図1で黄海に見られた寒冷低気圧とは異なり、進行方向の前面に暖気移流、後面に寒気移流を持ち、発達する温帯低気圧の特徴を持っていることに触れました。つまり、12時間後以降に500hPaの中心からずれた位置に出現する地上低気圧は、500hPaの寒冷低気圧とは異なった、新たな温帯低気圧です(図1の沖縄付近の気圧の谷が発達したものと考えられます)。よってbは正しいです。

続いて選択肢(c)ですが、前述のとおり、黄海の寒冷低気圧は24時間後にかけて弱まっていく予想となっていますので、これも誤りです。

つまり正解は(b)