第55回実技2 問2(2)

黄海の低気圧と比較して温度移流の特徴を述べよということですので、答え方としては、指定字数に応じて、「黄海の低気圧よりも〇〇である。」や「黄海の低気圧では〇〇だが、九州の南東海上の低気圧では△△である。」といった答え方をする必要があります。いずれにせよ、図1の黄海の低気圧の温度移流がどのようかをまず分析する必要があります。

上の図は図7上であり、図1の29日21時の850hPaの気温と風の図です。黄海の低気圧中心付近の温度移流についてですが、低気圧性循環の風があるものの、等温線の間隔が広く、温度移流は不明瞭です。

次に図6の九州の東南海上の低気圧と同じ時刻の30日21時の850hPa天気図です。低気圧中心付近では北緯25°から30°付近に15℃と12℃の等温線が東西に伸びており、南北の温度傾度があることがわかります。それに対して、中心の東側では等温線を横切るような南東の風による暖気移流、西側では西北西の風による寒気移流が見られます。発達する低気圧は、進行方向前面で暖気移流、後面で寒気移流の形となることを思い出してください。

つまり九州の東南海上の低気圧の方が温度移流が強いことがわかりましたので

暖気移流・寒気移流共に黄海の低気圧より明瞭である。(25字)