第54回実技1 問2(1)

①逆転層は上の図の通り上端が740hPa、下端は810hPaです。

②下記は名瀬のエマグラムを拡大したものです。

雲が発生する高度とはすなわち、持ち上げ凝結高度です。地上の空気を持ち上げると乾燥断熱線に沿って気温が低下します。一方で気圧の下降により、露点温度も地上の露点温度から等飽和混合比線に沿って低下しますので、この2つの線の交点が持ち上げ凝結高度となります。よって960hPa。

③さらに空気塊を持ち上げると下記のようになります。

持ち上げ凝結高度に達したあとは湿潤断熱線に沿って気温が低下していきます。潜熱の発生により乾燥断熱線よりも気温の減少が緩やかです。周囲の気温と同じ気温になるのは、790hPaとなります。

④まずそれぞれの逆転層の特徴を紹介します。

接地逆転層

放射冷却などにより、地上付近の気温が冷やされることで逆転層ができるもので、逆転層の下端は地上となります。よって名瀬の逆転層とは異なります。

沈降性逆転層

上層の空気が高気圧等の下降流による沈降によって断熱昇温し、逆転層ができるのもの。下降流による逆転層であるため逆転層より上端では乾燥しています。今回のケースです。

前線性逆転層

前線面において寒気の上に暖気が上昇すると、寒気層の上に暖気が層がくるため、逆転層となります。この場合逆転層付近では暖気が前線面を滑昇するので、湿っていますので今回とは異なります。

よって沈降性逆転層が正解です。